2006年04月09日

賛歌・篠田節子

讃歌
讃歌
 2006.1/12

篠田節子の最新作。

テレビ製作会社に勤める小野は勧められて行った教会でのコンサートであるビオラ奏者の演奏に心を奪われる。そこでの演奏は宮崎アニメのテーマとか賛美歌とかクラシック小品など。まるでクラシックやビオラに無縁だった自分をこれほどまでに魅了するこのビオラ奏者・園子に興味を持つ。すると彼女がかつて天才バイオリニストと言われたことが分かり、彼女のドキュメンタリー番組を作る。番組が放映されると大きな反響を呼び彼女の人気はうなぎのぼりになるが。。。

篠田氏は自らチェロを弾くだけあってクラシックの、それもチェロとかバイオリンとかが題材になってるものが多い。「ハルモニア」とか「マエストロ」とか

まるでクラシックに縁の無い小野が魅了される描写とか、園子の過去の経歴を追うところとか、園子をめぐる人間関係とか、テレビ製作会社の内情とか、いつもながらテンポのよい筆運びでぐいぐい読んでしまう。

今回のは篠田氏のインタビューにもあったが、「音楽に心打たれる」とはどういうことなのか? メディアが作りあげた偶像と現実とのギャップなどがテーマになっている。クラシックには疎い小野をはじめ多くの”しろうと”を魅了する園子の演奏。技術的には未熟なのに何故演奏に魅了されるのか、というのを篠田氏自身も感じていてそれをテーマにようだ。
 プロの演奏家だと技術的に高い水準を要求されるが、技術がいいからといって心打たれる演奏になるかというとそうではない。まして「人気」という点ではメディアの作り上げる偶像が一人歩きしたりする。そして番組の作り手が意図したものと、視聴者の心をとらえるのは必ずしも一致しない。そんなところを考えた。ただ最後の落ちはストンとしすぎ?

インタビュー












posted by simadasu.rose at 01:52| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・篠田節子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年08月13日

ロズウェルなんか知らない・篠田節子

ロズウェルなんか知らない

篠田節子の新作。彼女のは出るたびに読んでる。
今回のは群馬の片田舎を舞台にした、村の青年たちの町おこしの物語。

20年くらい前、スキー合宿で栄えていた民宿村が、
世の流れについていけず、今や作業員の宿泊所としてやっとしのいでる。
そんな現状を青年(といっても結婚できないでいる中年)、役場、よそ者のペンション経営者などがUfOをウリにして
打開しようとする、ドタバタともいえる展開。

彼女のは不思議な現象を織り交ぜ物語を進めていくのが多いが、
これは「女たちのジハード」の男版といった感じ。
元八王子市役所職員だけあって、役所の四角な対応とか描き方がおみごと。

登場する青年たちの、小さな村に生まれての思いとか、
老人たちとか、よそ者とかみんな元気だ。
その前向きの描き方がすっきりする読後感。

オビが「地方の未来を真面目に笑う」だ。
一言でいうと正にそう。発想は四角でなく球体でなきゃあ、
すると還ってくる反応も全方向だ、と言ってるよう。

posted by simadasu.rose at 09:17| Comment(4) | TrackBack(2) | 本・篠田節子 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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