2014年08月10日

銀翼のイカロス(池井戸潤)

銀翼のイカロス -
銀翼のイカロス -

半沢シリーズ最新刊。発売日に買ってきました。
前作「ロスジェネの逆襲」で銀行に戻った半沢。今回は業績不振の帝国航空の再建にからみ、開発投資銀行と共に債権放棄を求められる。おりしも長期政権を担ってきた憲民党に変わって進政党政権となり、国土交通大臣は女子アナ出身の白井。その白井が自らの実績作りのために前政権の再建案を覆す私設再建室を立ち上げる。

今回も正論で挑む半沢にこれにて一件落着となるのだが、冒頭は銀行員の遺書で始まる。この銀行員がどういう人物かは中ほどまで行かないとわからないのだが、この半沢の業務に関して死者が出るほどのものが出てくるのか、と興味をかきたてられる。合併した半沢の銀行内の旧行派閥、白井大臣、白井の後ろ盾の国会議員、再建室メンバー、そして中野渡頭取の思い、左遷、出向、これらサラリーマン人生の様々な様相が描かれる。

正攻法で攻めて、こうなったらいいよね、というのをやってくれるのが半沢だ。そして理想のトップとして中野渡がいる。

しかし読んでても、頭に浮かぶ顔は、堺雅人や及川光博はじめいつもの面々。それらが頭の中で動き回って違和感がない、というか定着してしまっている。北大路欣也がトップとして苦悩する姿はほんと合ってると思う。帝国航空は日本航空か、進政党は民主党か、そして白井大臣は青いスーツ姿で描かれてるが、白いスーツ姿の蓮坊を思い浮かべながら読んでしまった。
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2013年10月03日

ロスジェネの逆襲(池井戸潤)

ロスジェネの逆襲 [単行本(ソフトカバー)] / 池井戸 潤 (著); ダイヤモンド社 (刊) 2012.6

半沢直樹シリーズ第3弾。こちらもドラマが始まってすぐ前2作に引き続き読んでます。
2作目「オレたち花のバブル組」の最後で示唆された通り、半沢は証券会社に出向。
2作目の最後での大和田常務は出向かと思いきや常務取締役からただの取締役に降格。半沢はまさかの出向。これは頭取から、半沢の追求振りを快く思わない人がいるんでね、と言われます。ドラマでは半沢の納得できないような顔を大写しで終わっていたかと思います。この人事は頭取の対抗勢力である大和田を降格だけにとどめることで、大和田を自分の側に取り込んだというのです。うーんそうか、トップの組織マネジメントとはそういうものなのか。

と前置きはさておき、半沢の出向先は東京セントラル証券。ここではバブル世代の半沢の部下はロスジェネ世代と呼ばれる若い森山。IT企業の電脳雑技集団と東京スパイラルの買収劇をめぐり、出向先の東京セントラル証券、親元の銀行と四つ巴のバトルが交わされます。

電脳雑技集団の社長が50第半ば、東京スパイラルの社長は森山と同じロスジェネ世代、半沢がバブル世代の40代、と世代を対比させています。そしてそれぞれ人物の今にいたるまでの人生を書きこむことにより、今現在の行動の理由がなるほど、と思わせる構成になってます。これは「七つの会議」などと同じです。この人物背景を効果的に描くことで登場人物が人間臭くなり、悪役であっても愛着すら感じる小説のおもしろさになってる気がします。

題名の「ロスジェネの逆襲」とあるように、就職氷河期で就職の負け組と半ば卑屈になっていた森山が、仕事のおもしろさに目覚め前向きになる様が描かれています。そして半沢のここでのキメセリフは倍返しではなく、置かれたところで精一杯やる、といったものになっています。こういう人生応援歌が池井戸氏の小説のおもしろさであり、読後感のよさなのかなと思います。

・・というわけで、7、8,9月と池井戸小説を読みまくり、といった状況でした。順次UPしたいと思います。
読んだのメモ
「鉄の骨」  「果つる底なき」  「ようこそ、わが家へ 」 「シャイロックの子供たち」 「かばん屋の相続」 「架空通貨」 「下町ロケット」
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2013年07月26日

オレたち花のバブル組(池井戸潤)

オレたち花のバブル組 (文春文庫) [文庫] / 池井戸 潤 (著); 文藝春秋 (刊) 2008.6単行本 2010.12文庫

続けてこちらも。「オレたちバブル入行組 」 のあと本店営業部次長に昇進した半沢。今度はあるホテルの融資担当になり、またもやイケナイ事が裏で起こっていて、またもや今度は金融庁のお手入れが入る。お国のお役人はおネエ言葉。またもやホントにイケナイひとは上〜のヒト。しかしマケナイぞ、半沢は。やれ! イケッ! ヒックリ返せ! 

すっきりですねえ。こんなにバシーッとぶち負かせたらどんなにいいでしょう。いいなあ、情報をくれる同期。また、近藤さんが復活してよかった。出向はやはり出向ですよ。骨をうずめるといっても、やはりほんとの部分は最初に入った会社なんじゃないでしょうか。実家のようなもんですよね。

渡真利に「・・オレたちバブル入行組は団塊の尻拭き世代じゃない・・あと十年もすれば、奴らはみんないなくなる。・」と言わせてますが、2009年に昭和24年生まれは60歳になって、2013の現在、第二の職場でもご退職になってる人が多いかもですね。バブルって個人的にはまったく実感無しなのですが、調べると昭和61年から平成3年とあります。池井戸さんは昭和38年生まれなので、ストレートだと昭和61年に就職でまさにバブル就職組で、対談でもそのようなことを言っています。やはり団塊はうっとおしかったのか。

続く「ロスジェネの逆襲」 では半沢は証券子会社に出向”させられてる”様子。「大岡越前」とかを毎回見てしまうみたいに、こちらも読んでみたくなりました。

池井戸潤とTBSドラマ部福沢氏の対談
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2013年07月25日

七つの会議(池井戸潤)

七つの会議 [単行本(ソフトカバー)] / 池井戸 潤 (著); 日本経済新聞出版社 (刊) 2012.11

これは一気に読んでしまいました。すごく共感部分があります。東山クンはグループ企業の中堅メーカーの冴えない2番手という役柄ですが、これがとてもいい。やはりカッコいいんですが、普通の悩めるサラリーマンになりきってます。

売上ノルマ達成のために行われたある行為。それは放送1回目の最後で、ねじ六の社長が行ったねじの強度検査で暗示されます。子会社、下請、出向、転職、など様々な雇用形態と、そのどれに属するかで変化する己の社会人人生。ノルマ達成のために行われた行為をめぐり、それぞれの人物を「会議」を切り口に描き出します。会社内でその人はなぜそのような態度をとるのか。生い立ちと、会社に入ってからの異動とか実績を書くことにより、今のその人の行動がリアルに、重く、そして物悲しく動きます。

NHKの第1回の放送では、半沢とは随分トーンが違うな、といった程度のものでしたが、2回目放送の前日に読み終え、すると、あの暗めの画面が、逆にとっても内容に合っているなと思い、シーンのひとつひとつが、小説の行間とミックスされ、ほんとうにひきこまれてしまいました。

ああ、組織で働くって何なんだヨ。またねじ六みたいな製造の中小企業を経営するってのも並大抵ではないんだな。しかし、生あるうちは稼がなくては。お金を得るって・・・

池井戸潤と東山紀之対談
NHK七つの会議
posted by simadasu.rose at 23:13| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2013年07月20日

オレたちバブル入行組(池井戸潤)

オレたちバブル入行組 (文春文庫) [文庫] / 池井戸 潤 (著); 文藝春秋 (刊) 単行本2004.12 文庫2007.12 2013.6 21刷

TV半沢直樹 第1回がすごくおもしろい。続く第2回も。もう原作が読みたくなり読んでみました。
しかし、TVとはトーンが違う。それは当り前ですが、すらすら、ぐいぐいと読み進められない。銀行用語、経済用語がでてきたからなのか、あまりにもTVの進行の場面の印象が強すぎたせいなのか。これを読む前に検索で筋を知ってしまっていたからなのか。TVの進行の確認をした、というところです。

ただ証券会社は野村のように独自の会社もあるが、中小は銀行が親としてあって、子会社的であり、銀行員にとって証券会社への出向は左遷である、とか、銀行が会社へ融資するという銀行からみた部分とか、知らない業界が垣間見られたのは興味深かった。

またこれは、男性が書いた男性主人公の話なので、半沢が妻に対して抱いている感情も、ああ、夫って妻をそういう風に見ることもあるのね、とか、銀行で勢いのいい半沢も強気の妻にはなぜか妻ペースになってしまう、というあたり、そうなのか、と夫目線がなるほどという感じでした。

しかし、最後の支店長との決着のしかたは、支店長の妻の突然の出現による、己と支店長の「家庭」が頭をかすめたわけですが、う〜ん、ちょっとなあ。

ともあれ、「オレたち花のバブル組」、 「七つの会議も同時購入しています。(なにかそれくらいTVにひきつけられてしまったのでした) NHKの「七つの会議」は画面も暗く、半沢みたいな水戸黄門的ストーリーではないのですが、本はちょっと読み始めてますが、これはバブル〜より、小説としては引き込まれます。


posted by simadasu.rose at 10:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・池井戸潤 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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