2018年02月07日

戦場のピアニスト(BSで)

戦場のピアニスト [DVD] -
戦場のピアニスト [DVD] -  2002.9公開 フランス・ドイツ・ポーランド・イギリス合作

主人公はワルシャワのユダヤ人ピアニスト。両親、姉妹弟と暮らしている。ゲットーに集められ、そして選別され、送られ、逃げ、隠れ、そして生き延びる。ポーランド人とドイツ兵の助けによって。戦争の残虐さ、主人公シュピルマンの運命がすごい迫力で迫ってきた。例えが卑小だが、ドッジボールの相手方のボールを正面からズシンと胸で受け止めた感じ。

見終わって調べると、なんと実話。公開時題名だけは知っていたがなぜか見ることは無かった。シュピルマンは1945年に執筆しポーランドで出版するも、すぐに絶版。それが91年のソ連崩壊10年を経て、日本では英語版からの翻訳本が2000年2月に出版された。

それになんと監督がロマン・ポランスキー。ポランスキーもユダヤ系だったのも今回知った。ポランスキーはシャロン・テート事件や少女淫行がまず頭に浮かび、こんなシリアスな映画とのギャップを感じてしまうが、自身の母親も収容所で亡くなっている。

ゲットーで生き延びた少年の映画「マイ・リトル・ガーデン」を思いながら見た。

関連本も読んでみました。
「戦場のピアニスト」ウワディスワフ・シュピルマン著

「シュピルマンの時計」クリストファー・スピルマン著


監督のポランスキーへのインタビュー映画が2012年に作られた。
「ロマン・ポランスキー 初めての告白」の日本語字幕・岩谷いづみさんの話 ポランスキー自身の戦争体験は翻訳していて壮絶だった。監督作では「戦場のピアニスト」が一番クローズアップされているという。
「ロマン・ポランスキー初めての告白」公式サイト 
ラベル:ユダヤ人迫害
posted by simadasu.rose at 16:39| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年02月06日

ダークタワー(映画)

少年の脳裏に浮かぶダークタワー。黒い人。ガンスリンガー。それが何なのか説明しても誰もわかってくれない。
少年の住む根本世界、ガンスリンガーの住む中間世界、黒い人のいる悪の世界、根本世界と中間世界のバランスを保つダークタワーがそびえる。黒い人は自分の世界を全てのものとするためダークタワーをこわそうとする。それには強い霊感のある少年が必要だった。果たしてダークタワーは守れるのか・・・

キリスト教に基づく悪魔が黒い人に変わったのかな? 日本の物語の悪人とは違うものを感じる。スティーブン・キングが20年以上にわたって書いてきた物語。キングの思い描く世界が描けたのか。映像は最新の技術で、広いスクリーンで広大なダークタワーの世界が広がっていたが、どこか指輪物語もちらっと脳裏に浮かんだりしたが、指輪が壮大なファンタジーなら、こちらはこじんまりしたダークファンタジーか。

少年ジェイク役のトム・テイラーが子供なのにすごい整った顔。調べてみると2001年生まれ。アメリカ公開20017.8だから撮影は2016だとすると15歳の映像なのか。この少年が出てるから見られた。

ダークタワーオフィシャルサイト

トム・テイラーの記事(T-SITE NEWS)


Dark Tower / [Blu-ray] [Import] -
Dark Tower / [Blu-ray] [Import] -  輸入盤のDVDがすでに発売されている

ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫) -
ダーク・タワー1 ガンスリンガー (新潮文庫) -  原作は7部構成。1982から2004にかけ出版
posted by simadasu.rose at 22:19| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年02月01日

祈りの幕が下りる時(映画)

新参者シリーズ完結編と銘打っている。
新小岩の河川敷での焼死体、宮城県のバーに長い事務めた女性の死、その女性と親交のあった原発に勤めていたらしい男、滋賀県のある町での一家離散、新進の女性演出家、老人ホームに迷い込んだ謎の女性、バーの女性の遺品のカレンダーに記されていた常盤橋、日本橋などの名。そして加賀恭一郎の家を出て行った母、母の住んだアパートが死後、東日本大震災でで流されたなどの事も織り込みつつ、それらがつながり、恭一郎の日本橋署での勤務も終わりの日が来る。

エピソードがよくつながるな、という無理さはあるものの松嶋菜々子、もちろん阿部寛は魅力的。また脇役の捜査本部の春風亭昇太、キムラ緑子、先生の及川光博などもよかった。加賀の母役は見てる時は市毛良枝かと思っていたが伊藤蘭だった・・ 
大画面で見る娯楽映画として満足感はある。がどこかTVの2時間ドラマの雰囲気も漂う。平日昼間熟年男女でいっぱいの客席でした。

「祈りの幕が下りるとき」公式HP

原作は
祈りの幕が下りる時 (講談社文庫) -
祈りの幕が下りる時 (講談社文庫) -  2016.9(単行本は2013.9)

posted by simadasu.rose at 17:59| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年01月26日

山の音(BSで)

山の音 [DVD] -
山の音 [DVD] -  1954.1公開 

原節子、BSで録画していたのを見る。
原作は川端康成。昭和24年から29年にかけて書かれた連作をまとめたもの。

鎌倉が舞台で菊子(原節子)の夫修一(上原謙)は父親信吾(山村聡)と同じ会社で働き東京まで通っている。家には姑保子(長岡輝子)もいる。結婚してまだ数年なのに夫修一は浮気をしている。が、菊子が嫌いなわけではなく、戦争による心理的傷があり人生に素直になれないでいる。舅の信吾は嫁の菊子に好意的で、家に帰れば上着をしまったり身の回りの世話は妻の保子ではなく嫁の菊子がやっている。ここに出戻ってくる妹がからみ、それぞれの思惑が白黒の歴史的空間を行き来する。この映画で原節子がいちばん美しくみえたのは、決意をした最後の場面だった。しおらしく耐える役より、すくっと前に進む場面のほうがきれいにみえる。

設定年代は同時代でかなり世の中は落ち着いているように見える。ただ夫修一の戦後9年経ってもひきずる戦争の記憶、浮気相手が洋裁で経済的に自立した戦争未亡人、会社の秘書(杉葉子)も恋人が戦死した、という設定で「戦争で失ったもの」が色濃く出ている。

今から64年も前の作品なのに、夫婦、家庭のさざ波といったものが古く感じない。登場人物の品のいいセリフのせいなのか、原作の強さなのか。セリフの間にある感情など、原作を読んでみたくなった。

信吾の妻と娘は不器量、信吾が本当は好きだった妻の姉、嫁は美人、というのをセリフでしゃべらせている。
他の50年代の日本映画を見て感じるように、買い物籠、服のデザイン、男性の帽子、井戸、蓋の無い側溝、「・・ですの」などの言葉遣いなど動く民俗博物館だ。

1954当時の年齢、原節子は34歳、杉葉子は26歳、長岡輝子は46歳、そして上原謙が45歳、山村聡は44歳なのだ、親子の設定なのに親役の山村聡の方が1歳年下! でも山村聡と長岡輝子は60歳位の設定だが、メイクがよくできているのか、演技がうまいのか、背も曲がっていて老年に見えた。

原節子は「東京物語」の次の年の作品だった。監督は成瀬巳喜男で1951年に上原謙と原節子の夫婦役で「めし」を撮っていた。「コタンの口笛」なんかも1959年に撮っているようでこれを見てみたい。

山の音(キネマ旬報キネノート)
posted by simadasu.rose at 17:13| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年01月13日

サーミの血(映画)

北方の少数民族サーミに生まれた少女の成長と、民族への複雑な思いを、スウエーデン北方の自然を背景に描く。

サーミはラップランドという言葉と、絵本などで少し知っていたが、歴史や生活についてほとんど知らなかった。新聞の映画評で少数民族の少女の話とあり見てみたいと思った。

舞台は1930年代スウェーデン、まず感じるのは北方の森の豊かさ、目にも鮮やかな、さまざまな緑。そして主人公の少女エレのたくましさだ。まだ見ぬ世界への渇望、勉強したい思い、それが少数民族という出自のためにままならないのを力強く突き進んでゆくたくましさが並々でない。最後は街に出てこれから、というところで唐突に終わる感じかしたが、街に出るまでの強い思いと葛藤こそが描きたかったことかと思えてきて、むしろ強い渇望が強調された気がしてきた。

冒頭は、街で暮らす、成長し年老いたエレが、故郷に残った妹の葬儀に参列するために帰る場面。葬儀はキリスト教会で行われている。息子と10歳くらいの女の孫もいっしょだ。エレは教師をしていたといい、故郷に残った妹は毎年、姉の分のトナカイに印付けをしていた、と村人に言われるが、サーミの出身であること、故郷に帰ること、葬儀への参列も拒んでいる。だが現代風の背の高い息子は、サーミの血を引いているのを気にしているようではない。サーミのトナカイの儀式を自分の子に見せたいという。

主人公エレ・マリャはスウェーデン北部のサーミ人でサーミ人のみが通う寄宿学校で妹と共に暮らしている。寄宿学校の生徒は小中学生といったところで男女総勢20人位。トナカイを飼うテントのある家から野山や湖を1日がかりで越えて着くのだ。青、赤に刺しゅうの入った独特の民族衣装を着ている。スウェーデン人の女教師と寮母がいて、サーミ語は禁止、スウェーデン語とキリスト教を教えられている。寄宿学校は街から離れた森の中にあるが、付近に住むスウェーデン人からは、サーミだと言って好奇の目で見られている。

寄宿学校では、偉い人の来客があり、優秀なエレはスウェーデン語の詩の朗読者に選ばれ得意になるが、その後調査と称し、身体計測が行われ、さらに裸での写真を撮られ、耐え難い屈辱を味わう。先生はサーミ人の顔が写った調査本を見ている。

寄宿学校で成績の良かったエレは上級学校に進みたいが、サーミは法律で許されていない。干してあった先生のワンピースを着てスウェーデン人の夏祭りに潜り込むが、そこで会った青年に好意を抱く。サーミの外の世界への強い願望、勉強を続けたいエレは青年を頼り街へ出る。途中の汽車の中で、ワンピースを盗み、民族衣装を焼く。

本多勝一の「カナダエスキモー」を高校の時読んで以来、極北や少数民族に興味を持っていたが、サーミ人の置かれた状況、歴史を映画で初めて知った。しかし先生が見ている民族の顔写真や、調査での身体測定など、調査される側に立つと、いかにそれが屈辱的なものか、こちら側の我々は考えることすら無かったのではないか。この映画をみながら、日本でのアイヌの状況を思った。監督自身サーミ人の父を持ち、サーミの唄「ヨイク」を歌って、と言われ、またサーミ人の血がどれだけ混ざっているのかとよく質問されるという。きっとその質問に対する違和感がこの映画を撮った根本にある気がする。

サーミ人も含め、少数民族は減少の道を辿っているが、主人公エレの都会へのあこがれ、まだ見ぬ世界への興味は、少数民族でなくても抱く感情だと思う。ただそれに、差別されていた少数民族だった、というのがからんで、この少女の成長物語はできている。

監督のアマンダ・シェーネル監督(女性)は1986年生まれ、スェーデン人の母親とサーミ人の父親を持つ。映画の中のエレ・マリャの息子にあたるわけだ。

監督、主役レーネ=セシリア・スパルロク インタビュー (WEB DICE)映画中のサーミ人は皆本当のサーミ人で、主役のレーネは1997生まれでノルウェーでトナカイ放牧をしているという。レーネによるとノルウェーでは80年代になるとサーミであることに誇りに思う傾向が強くなったという。

「サーミの血」公式HP

サーミとは(デジタル大辞泉)

サーミ (スウェーデン観光文化センター)

「ノルウェーとスウェーデンのサーミの現状」2013北海道大学 アイヌ民族の復権に関する基礎資料を得るため比較対象として調査した。



posted by simadasu.rose at 16:41| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年01月10日

コンタクト(BS)

コンタクト 特別版 [DVD] -
コンタクト 特別版 [DVD] -  1997公開 アメリカ映画 原作カール・セーガン

だまされたのか?いやちがう?

「メッセージ」のレンタル店でのうたい文句に「『未知との遭遇』(1977)『コンタクト』(1997)に続く「ファーストコンタクト」SFジャンルに新たな傑作が誕生」などとあり、時運よくBSで放送されたのを見た。

97年作、ジョディ・フォスター主演、監督ロバート・ゼメキス、原作カール・セーガン 有名どころ、ヒット作どころが揃っているじゃないか。天文好きの少女は長じて初志貫徹し宇宙からのメッセージを探索している。ある日メッセージをキャッチし、メッセージの意味する記号を読み解こうとする。そこに解読のヒントと資金も援助する謎の資産家ハデンが現れる。記号は宇宙間移動装置の設計図で、宗教、政治、性別、幾多の苦難を乗り越え設計し一人乗りのその乗組員に選ばれる。移動に向け発射されると目の前には亡き父や壮大な宇宙が現れるが、あえなくその場で壊れてしまう。見た目にはどこにも行っていないのだ。

うーん、宇宙ポッドがおもちゃみたい、念のため複製を作っていた場所が知床の付け根で、北の果てで秘密にされたことになってるが、知床の先端だってみつかるんじゃないの? となにか肩透かし感。こちらの理解不足なのか。となると、実は解読のヒントを与えた謎の資産家に踊らされていただけだった、というはっきりしたオチの方がすっきりする。しかし原作のカール・セーガンは天文学者だし、やはり宇宙からのコンタクトは本物だった、としたかったのか。

コンタクト(キネマ旬報DB)


コンタクト〈上巻〉 -
コンタクト〈上巻〉 -  原作:新潮社1986刊


未知との遭遇 ファイナル・カット版 (字幕版) -
未知との遭遇 ファイナル・カット版 (字幕版) -  このコンタクトの少し前、「未知との遭遇」もBSでやっていてこちらも見た。公開当時はすごい話題で昔TVで見た記憶もあるのだが、光り輝く宇宙船からあの有名すぎる5音のメロディが降りてくる、という場面しか覚えていない。今回見ると、時代設定は公開時としたのか女性のファッションや髪型がすごく昔感を感じる。内容もあれ?こんなの?という感じ。5音のメロディと光がそれほど全面には出ていなくて不思議に感じた住民の行動に焦点が当たっている。40年前だものなあ。「2001年宇宙の旅」を今みたらどうだろうか、色あせてみえるのかな、ちょっと見てみたくなった。


posted by simadasu.rose at 21:31| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年01月09日

メッセージ(DVD)

メッセージ [DVD] -
メッセージ [DVD] -   

公開時に見逃したのでレンタル。未知との遭遇的なものかと思って興味を持った。が、あまり面白さは感じられなかった。映像的にもいまひとつ。映画館の大画面でみれば少しはいいかも。意思の伝達、言葉、について、生命体同士がどう疎通し合うのか?といったとても哲学的な内容なのだと思う。これは原作の方がおもしろいのではないか、また映画では理解できなかった部分も言葉で説明されているかも。原作を読んでみたいと思わせるところが優れたところか。

監督のドゥニ・ヴィルヌーヴは2016にこれを撮ったあとブレードランナー2049を撮っている。

あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF) -
あなたの人生の物語 (ハヤカワ文庫SF) -  2003.9刊 表紙は今回映画のに差し替えたのか。
posted by simadasu.rose at 17:28| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年01月08日

わたしを離さないで(DVD)

わたしを離さないで [Blu-ray] -
わたしを離さないで [Blu-ray] -  2011.3公開 イギリス映画

本の「わたしを離さないで」を読み始めて10ページ位のところで、映画を先に見てしまった。

臓器提供のために生まれた子供たち、が主役なことは分かっていた。すると、篠田節子の「子羊」や、映画「アイランド」を思い出す。「子羊」は95年発表、「アイランド」は2005年公開。本「わたしを離さないで」は2005年発表。「子羊」も「アイランド」も臓器提供のためクローンの子供がいて、「子羊」に至っては”神の子”と称し臓器ごとに何人も存在し本当の?人間として育った兄弟のために臓器を提供する。2作品とも”その日”を境に居なくなるがその先どうなるかは子供自身は知らない。だがあるきっかけで培養世界から逃げ出す。

この2作品とイシグロ作品はどうちがうのか? 2001年に書き始めたというが、イシグロ氏のインタビューを読むと「わたしを離さないで」は、限られた生を持つ人がどのようにふるまうのかを書きたかったということで、「限られた生」の設定として試行錯誤しクローン羊の誕生などからヒントを得て、クローンに落ち着いたということだ。

「子羊」や「アイランド」が事実がわかるにつれ、臓器提供という行為に暗い恐ろしさを感じ、逃避行にハラハラドキドキし、SFの醍醐味を感じるが、この「わたしを離さないで」はとても静かだ。キャシー、トミー、ルーシーの3人の”培養期間”ともいうべきヘールシャムという寄宿学校での日々。トミーをめぐるキャシーとルーシの淡い三角関係、そして”その日”を待つための大人の施設(病院)での日々。映画はキャシーが30歳位になって寄宿学校での日々の回想と、現実の”その日”までの日々で進む。なぜこんなに皆静かなのか。ここでは臓器はその人体が耐えうるまで何回か取り出され、トミーの背中には1回目に取り出した痕の筋が隆起している。でもトミーは静かだ。

なぜ皆受け入れているのか?それを映画をみて理解することはできなかった。しかし静かな不思議な余韻が漂う映画だった。

イシグロ氏のインタビューによれば原題の『Never Let Me Go』は「絶対に離さないで」でこれは不可能なこと。そういう状況でいかに愛が強いか、永遠に一緒にいたいという気持ちの強さと、それがかなわない悲しさを表現したと言っている。そしてクローンの設定は、読む人が「人間であることに一体どんな意味があるのか」と思わずにはいられなくなるためのもので、「魂とは何か?」というドストエフスキーの愛読者の間で繰り返し問われて来た設問に、非宗教的な角度から道を付けたと思っているという。

また氏のテーマともいうべき「記憶」がここでは生きるための道具となっているという。キャシーはトミーもルーシーも失うが、ヘールシャムでの3人の友情の日々の記憶は誰も消すことができない。その記憶を語ることがキャシーにとって死に対抗する、生きるための武器になっているという。失われていくもの、失われていく人々が、思い出として残り、様々な記憶で語られることが重要だったと。

ここまで解説されて、「記憶」の効用、日々の生活での意味する所、に気づくなんと鈍い頭か。「魂」とは「記憶」なのか。甘い記憶だけでなく残虐な記憶でも効用足りうるのか? 短い生でなくとも、人生も現役を退くと昔の「記憶」はふいに顔を出し、いやな記憶は無視し、生活をやり過ごそうとする。「記憶」こそ生きた証とも言えるのか。

シャーロット・ランプリングがヘールシャムでの先生役で出ていた。

わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) -
わたしを離さないで (ハヤカワepi文庫) -

静かな黄昏の国 (角川文庫) -
静かな黄昏の国 (角川文庫) -  「子羊」所収。「ルーティーン: 篠田節子SF短篇ベスト」 (ハヤカワ文庫JA) - 「ゆがんだ闇 」(角川ホラー文庫) - にも収められている。

アイランド [DVD] -
アイランド [DVD] -  原作本は無いようだ。

posted by simadasu.rose at 16:25| Comment(2) | 映画 | 更新情報をチェックする

2018年01月07日

悲しみは星影と共に(DVD)

悲しみは星影と共に [DVD] -
悲しみは星影と共に [DVD] -  1966公開 イタリア映画

これも名盤発掘としてレンタル店でピックアップされていた。戦争ものだというのと、物悲しい主題歌はラジオを聴き始めた70年代から知っている。そして昔テレビで見たことがあった気もするので改めて見てみた。

見る前にビデオのパッケージを見ると、第二次大戦中のユーゴスラビアが舞台で、母は亡くなりユダヤ人の父親は収容所に入れられ、若い娘レンカは盲目の幼い弟と二人暮らし。ドイツに侵攻され、恋人のイヴァンはパルチザンで森に立てこもっている、という設定。

村にはユダヤ人の店が何件かあったが、順次収容所に送られ店はからっぽになっていく。そんな中父が収容所から脱出して家に戻ってくるが、皮肉にも姉弟は収容所行きが言い渡され、二人列車に乗る。列車の中で姉のレンカは弟に、この列車で目が見えるための手術を受けに、街へ行くのよ、と言う。しかし賢い弟は状況が分かっていたかもしれない。

1966年公開だが、白黒映画。主人公レンカの細見の体が物悲しく、盲目だがとても賢い弟のミーシャがまた悲しみをさそう。街にあるものが、普通の暮らしがひとつひとつ無くなっていく。静かに戦争の悲劇を描いている。

見終わってネットで検索してみると、なんと原作はエディス・ブリュックの自伝的小説「街へ行く」で、監督はネロ・リージ。そしてネロ・リージはエディス・ブリュックと結婚していた。・・ということは列車に乗った娘レンカは生き延びたのか。

またレンカ役はジェラルディン・チャップリンでかのチャップリンの娘だということ。そういわれると目とか口とかが似ている。

悲しみは星影と共に(映画「悲しみは星影と共に」から) -
悲しみは星影と共に(映画「悲しみは星影と共に」から) -  MP3

悲しみは星影と共に(キネマ旬報DBキネノート)



posted by simadasu.rose at 11:31| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年12月25日

カスパー・ハウザーの謎(DVD)

カスパー・ハウザーの謎 HDリマスター [DVD] -
カスパー・ハウザーの謎 HDリマスター [DVD] -  1977公開 西ドイツ 

レンタル店で名盤発掘として旧作がピックアップされていた。
野生児の例として聞いたことはあった。映画になっていたんだと思い見てみた。アマラとカマラのような狼に育てられた子が社会復帰する過程を描いたものだろうとは思ったが、単に食べ方を教えたり、読み書きを覚えたり、宗教を教えたりといった描写の中に、物の考え方への批判が込められていて、どうやって物の考え方が形作られるか、また時代の進展具合によってどういう影響を受けるかなど、そこが面白かった。

地下牢に繫がれ食事は与えられて白馬のおもちゃで遊んでいる。ある日男がやってきてカスパー・ハウザーという綴りを教え、ドイツのニュルンベルグの小さな村の広場に置き去りにする。1828年5月ということで近代以前の村だが、司法とか教会とか王国とかにしばられ人間生活は行われている。そこでけっこう親切な村人がカスパーに文字や作法を教える。カスパーは素直でいろいろ知りたい欲求も高まる。

宗教家や数学者が、キリスト教を信じろ、論理的なものの考え方、といったものに導こうとするが、カスパーは独自の考えを持っている。当時の19世紀前半の考え方より、いきなり少年で世の中に出たカスパーの考え方の方がよほど現代的なのだ。監督の創作の部分もあるだろうが、カスパーという野生児を使って監督はそういう考え方の形成といったものを投げかけたのではないかと思った。映画ではカスパーがとても魅力的だった。

カスパー・ハウザー (福武文庫) -
カスパー・ハウザー (福武文庫) -  フォイエルバッハ著
著者のフォイエルバッハはカスパーが発見された時の司法長官で彼の保護者となった人物。

posted by simadasu.rose at 17:42| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年12月17日

エルELLE(映画)

78歳のバーホーベン監督と、64歳のイザベル・ユペールが主演。この年齢に脱帽。

バーホーベン監督と言えば「氷の微笑」。 「氷の微笑」と言えば、下着をつけないまま取り調べの警官の前で足を組みかえる場面が一番印象にあるが、この同じテイストをこの「ELLE]にも感じた。う~んバーホーベン監督の女性観はこうなのか。78歳にしてこういう画面を撮るとは、原作本があるとはいえ、これから向かう年齢はやはり年取ってみないと実感できないなあ。

主人公はゲーム会社の女社長。関係する男性は、離婚した夫、同僚の夫、そして向かいの隣人。イザベル・ユペールほ実年齢は64歳だが関係の仕方から言って設定はせいぜい55歳あたりだろうなあ・・・

ELLEとはフランス語で彼女という意味だそうで、すたすたと1人で歩く後ろ姿の彼女、といった映像に合ってる。
12.14劇場で

ELLE映画HP

エル ELLE (ハヤカワ文庫NV) -
エル ELLE (ハヤカワ文庫NV) -  原作フィリップ・ジャン。あのベティ・ブルー 愛と激情の日々-  の原作者でもあるということだ。

posted by simadasu.rose at 15:44| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年12月11日

日の名残り(DVD)

日の名残り コレクターズ・エディション [DVD] -
日の名残り コレクターズ・エディション [DVD] -  1993イギリス映画

カズオイシグロになにかとても興味が湧いている。10日のノーベル賞授賞式の模様を見たり、いろいろネットで言葉を検索したりしているうち、これは公開当時映画館で見ているが、もう一度見てみたくなった。

今でも覚えているのはアンソニー・ホプキンス演じる執事とエマ・トンプソン演じる女中頭の、想っているんだけどすれ違ってしまう行動と、お屋敷で宴が催される時の、執事によって統制の取れたテーブルセッティング、そして執事は冷静、という場面だ。イギリスの貴族の館での統制の取れた静かできっちりした仕事ぶりの執事の物語、という認識だった。

それが、今回イシグロ氏が小説を書く時の気持ちとかを語っているのを見ると、
「88年3月、33歳の私は、初めて日本が舞台ではない「日の名残り」を書き終えたところでした。晩年になってから、自分が誤った価値観を守ってきたと気付く英国の執事の物語です。」(授賞記念講演)
  ええ! 誤った価値観を守ってきた執事? そう、昔見たときは20年以上前とはいえ、ナチスに傾倒したご主人、というのがまるきり印象に残らなかったのだ。

週刊文春2001年11月8日号での阿川佐和子のインタビューでは、

阿川 じゃあ、純粋なアーティスティックな表現って何なんでしょう。

イシグロ 遠大な質問で答えるのが大変なんですけれども、私は自分の世界観や感動を純粋に伝えることだと思います。それを読者に感じ取ってほしいし、同じ世界観や感動を共有してほしい。

阿川 イシグロさんの作品には、家族にも言えない秘密、陰の部分を持っていて葛藤している男の人が出てきますね。

イシグロ そうですね。私が一番関心があるのは、人が自分の過去の暗い部分、陰の部分にどう直面して、いかに隠そうとして、最終的にはどのように受け入れて、心の平静を持つようになるかという過程なんです。

と言っていた。そうか、そうだったのか。でも「日の名残り」お屋敷の映像がとても美しい。冒頭のグリーンの芝生にハンティング会での馬と犬と赤いベストが目に鮮やかだ。2回目に見たビデオはイギリスに行ってきたので、この風景とお屋敷が、うんうん、こういう色だ、とそちらの方にも目がいった。「ゴスフォード・パーク」の使用人の世界と貴族の世界の皮肉に満ちた対比に比べ、この「日の名残り」は、来客の執事を見下した質問はあるにせよ、ご主人と使用人世界はどこか上品だ。




posted by simadasu.rose at 23:43| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年12月10日

ゴスフォード・パーク(DVD)

ゴスフォード・パーク [DVD] -
ゴスフォード・パーク [DVD] -  2001年イギリス映画

1932年、イギリスの御屋敷で催される狩りに招かれた貴族とその従者たちの、階上の人々と階下の人々の人間模様を描く。

物語は、若いメイドの視点で語られるが、集まった召使たちは、合理的なんだろうが、ご主人の名前で呼ばれる。主催者の主人は生まれた子供は孤児院に送っていた。その子が招かれた貴族の使用人としてやってきて父である主催者をナイフで刺す。だが血がながれていない。とすると他に誰かが先に刺しているいることになるが、それには深い訳があった・・・

若いメイドが老メイドに「これからどうするんですか?}と聞くと「完璧な使用人に個人の時間は無いのです」と言う。だから罪を犯して牢屋に入っても、このお屋敷でご主人様のために働いても同じなの、というニュアンスに受け取った。一体に働くってどういうこと? 会社で働くと、自分の働きの分は会社の業績となって、やりがいみたいな感情が湧くが、このお屋敷の使用人の働きの業績は、ご主人の衣装が整っている、食事が用意されている、庭が整っている、っていうお屋敷の中で、ご主人の個人的な物で閉じられ、階級という天井があるので、自分でやれよって感じで惨めな感情が湧くのか? 家事代行とはそこが違う?

「ダウントン・アビー」に老貴族役のマギー・スミスがこちらでも老貴族役出ていた。
posted by simadasu.rose at 19:16| Comment(4) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年12月08日

オリエント急行殺人事件(映画)

オリエント急行内で1人の乗客が殺され、体には12の刺し傷。犯人は1等車の乗客の中にいる、また原作は1932年のリンドバーグの息子の誘拐殺人事件に着想を得て発表された、という情報のみで見た。

最初にイスタンブールの町や駅の民族衣装に彩られた人ごみ、そして雪のアルプス?を孤独に進む列車が上空から写される。これはもうすごい映像的な迫力。そしてクセのある乗客。中でも殺される富豪役のジョニー・ディップは顔に傷のあとも作りいかにもワルモノといった風貌。ポワロはTVで見ていた小太りのデビット・スーシェがン馴染みがあり、この映画のケネス・ブラナーはかっこよすぎではないかと見る前に映画のチラシを見て思ったが、映画が始まるとすんなりケネス・ブラナーのポワロにはまった。かっこいいポワロも有りだ。

誘拐事件と乗客との関係がだんだん明らかになって、雪の鉄橋での立ち往生の場面で謎が解き明かされるが、この鉄橋の場面も映像の迫力があった。謎ときが話される2分くらい前に、犯人はこうか?と思ったら、果たしてそうだった。

オリエンント急行の車体と、雪の中を進む列車と、クセのある乗客を演じる俳優を大画面で見る楽しさを味わった。
12.8劇場で

 →オリエント急行殺人事件 映画HP

1974年にも制作されていて、それにはイングリット・バーグマンが出て助演女優賞も得ている、というのでそちらもレンタルして見てみた。犯人を知ってから見ることになるが、こうなるとちょっとした顔の表情とか、伏線とかが分かり、犯人は誰か?というどきどき感とは別な愉しみを味わえた。
オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] -
オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] -  イングリット・バーグマンは最初、老伯爵夫人役を打診されたそうだが、家庭教師役をやりたい、とそちらを演じて助演女優賞を得た。家庭教師はすごく地味な風貌の設定で、あまり登場場面も多くない。こちらで際立ったのは夫を2度とりかえている婦人役のローレン・バコールだ。バコールの方が派手な役だったので、こちらのほうがすごく印象に残った。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) -
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) -  原作は1934年発表。


posted by simadasu.rose at 14:51| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年12月02日

ブレードランナー2049

地球に明るい未来ってないの?

今作を見る前に、朧な記憶になってしまった前作の「ブレードランナー」をレンタルして予習。”SF映画の金字塔”などと言う文字が躍るが、あまり実感できいないまま、新作を見た。さらに荒廃の進んだ2049年、ああこの年には自分は死んでるかも、なんて思いながら見るが、緑の無い白茶けた地球、ロサンゼルス。ソニーの文字、怪しげな東洋趣味の店はまた出てくる。街に光はなく暗い。生野菜や動物も本当に希少なものとなっているらしい。

”金字塔”と評価するのは、人間の存在の本質?を問う?などということらしいが、情緒安定用の記憶、とかここらへん? だが画面からの直截的な印象は、「ターゲットを殺す」という画面が暗く展開する、という表面しか感じ取れず・・・ きっとこちらの受け皿が貧弱なせい? SFは好きなんだけどなあ。この映画を見た数日後、夕暮れの京浜工業地帯をバスで通過した。薄暗くてよく見えない工場群の巨大な影が2049年のブレードランナーの世界に似てるな、なんて思い、あの荒廃した街は現実となりかねないのかも、なんて思ってしまった。日本を支える工場群たち、ごめんなさい。
12.2劇場で
ブレードランナー2049公式HP

ブレードランナー ファイナル・カット [Blu-ray] -
ブレードランナー ファイナル・カット [Blu-ray] -  前作は1982年作。2020年が舞台。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) -
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) -  1968作。原作を読めばまた違うか


posted by simadasu.rose at 19:34| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年11月13日

シン・ゴジラ(TVで)

シン・ゴジラ DVD2枚組 -
シン・ゴジラ DVD2枚組 -  2016.7.29公開

~想定外への痛烈な皮肉

最初、またゴジラかよ、という思いで見ていたが、官邸での会議が始まると俄然面白くなった。ゴジラに関しては脱皮前の茶色のヘンなのが少し気持ち悪かったが、脱皮後の黒い皮膚から赤い内部が透けて見えだして、ああ、ゴジラだとへんに納得した。

これはゴジラ出現という、前例のない、想定外の、事件に対する日本の政治の混乱ぶりを痛烈に皮肉ったものだろう。おなじみの俳優たちが、首相だったり、大臣だったり、アレっ岡っ引き稼業はどうしたの?とか見ながら同時に思ってしまった。

プロジェクトチームの作業服が各省バラバラだったり、御用学者の調べてみないと分かりません、にはそんな悠長な、と思ってしまい、ほんとに笑ってしまった。

ゴジラは先の3.11地震の混乱ぶりに重なる。しかし今度は放射能で避難するのは首都圏の大人口だ。首都圏でも避難はあり得るんだよ、またゴジラの対処が国連軍の判断に委ねられてしまうあたり、シリアとかの多国籍軍の攻撃とかの、「受ける身になるとこうだ」というのを示している。

最後は放射能が無害化される、というほっとする解決でつかの間の平安が訪れるが、最後の最後のアップ画面は孵化した?小さな怪獣が無数に映った。う~んこれは・・・

1954の最初のゴジラもみてみたくなった。
posted by simadasu.rose at 11:50| Comment(2) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年11月08日

ゴッホ~最後の手紙~(映画)

~なんてったってゴッホの絵が動くのだ!

あのゴッホの絵がそのタッチそのままに動き、糸杉、麦畑、教会、居酒屋のなかでゴッホはもちろん、絵の中に登場する人々、郵便配達、タンギーじいさんなどが動いている! やはり大画面で見たい、と思い映画館に出かけた。

物語はゴッホの一代記ではなく、ゴッホの死から始まる。配達されなかった最後の手紙を、アルルの郵便配達人ジョセフ・ルーランの息子アルマンが宛先の弟テオに渡しに行く。この郵便配達人ジョセフはヒゲの人で、もちろん絵になっていて、ゴッホには好意的だ。アルマンは最初ゴッホにはあまりいい印象をもっていないが、画材やのタンギーじいさん、最後の逗留地のオーヴェルで宿屋やボート屋、赤毛の少年、医師宅の家政婦に会い話を聞くが、皆それぞれ違うことを言い合う中で、ゴッホの人となりを知りゴッホに歩み寄る。最後にガシェ医師に会い、手紙はガシェ医師に託される。

始まりが死後からだが、足跡をたどるうちゴッホの人となり、絵を描く様子が、動くゴッホのアニメーションから立ち上ってくる。このゴッホの絵で動かす、という発想に脱帽。素晴らしい体験をした。アルマンがだんだんゴッホに心を開く様子が、ゴッホの絵が死後世間に受け入れられてゆく過程とも重なってくる。

ゴッホ公式HP 
アニメのための画家は125名、使用された油絵は62450枚。
 →日本人ではただ一人古賀陽子さんが参加。

→古賀陽子さんインタビュー(週プレ)

炎の人ゴッホ [DVD] -
炎の人ゴッホ [DVD] -  1956公開 11/4にNHKBSでやった。こちらは知っている通りのゴッホ像だった。最後は自殺。逆にこの映画やアーヴィング・ストーンの原作でこのゴッホ像が広まったとも。

炎の人ゴッホ (中公文庫) -
炎の人ゴッホ (中公文庫) -  1934初版 アーヴィング・ストーン著

ゴッホの手紙 中 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-2) -
ゴッホの手紙 中 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-2) -  中巻・下巻が弟テオ宛の書簡集。上巻は親しかった画家ベルナール宛  手紙を読めば自分なりのゴッホ像がつかめるか?

たゆたえども沈まず -
たゆたえども沈まず -  原田マハ著2017.10.25幻冬舎刊 なんと原田マハがゴッホの小説をタイムリーに出版していた。日本人の画商とのつながりを描いているという。読んでみたい。

posted by simadasu.rose at 11:35| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年11月01日

タクシードライバー(BSで)

タクシードライバー [SPE BEST] [Blu-ray] -
タクシードライバー [SPE BEST] [Blu-ray] -  1976

~若き日のロバート・デ・ニーロの顔のアップがいい

公開は76年。当時、ジョディ・フォスターが少女で娼婦役をやった、ということや、このパッケージに見る、ポケットに手を入れてうつむきながら歩くこの絵も長らく目にしていた。

公開後40経ってやっと見たわけだが、うーん、なるほど、こういう内容だったのか、最後が肩透かし?死んだと思ったら生きていたからか? それで監督のマーティン・スコセッシをウィキペディアで見てみると、「シチリア系イタリア移民の家に生まれ、マフィアの支配するイタリア移民社会で育ったため、その人格形成と作品の双方にはその出自が深く影響し、腐敗した矛盾に満ちた現実のなかでいかに人間としての倫理と善良さを実践できるか、それがしばしば不可能であることの苦悩を追求する映画が多い。また、そのなかでは人間の人間に対する無理解と不寛容の直接的表現として、リアルな暴力描写が重要な位置を占める。」とあった。なるほどこの解説を読むと、そのままこのタクシー・ドライバーに当てはまる。なんか人の解説に頼る自分。それに映画の作られた75年当時のベトナム帰還兵とか、アメリカの世相とかが分かっていた上で映画を見れば、もう少し興味深く見られたかも。

ただしばしばアップになるロバート・デ・ニーロの顔に、いい顔だなあ、と思ってしまった。

タクシードライバー [Laser Disc] -
タクシードライバー [Laser Disc] -  街を浄化しようと決め、アパートで狙撃の練習に余念がない。

タクシードライバー (字幕版) -
タクシードライバー (字幕版) -  そしてモヒカン刈りにして、大統領候補を狙撃しようとするのだが失敗し、家出して娼婦をしている少女に説教しヒモや関係者を撃ち少女を「解放」する。

posted by simadasu.rose at 11:52| Comment(2) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年10月31日

彷徨える河(DVD)

彷徨える河 [DVD] -
彷徨える河 [DVD] -  2016.10公開

~モノクロ画面から放たれるアマゾン川の圧倒的存在

「ブレードランナー2049」を見る前に、あまりよく覚えてない前作「ブレードランナー」をレンタルしたついでに準新作コーナーにあったもの。「彷徨える河」という黒字に白の背表紙を手に取ってみると、アマゾン川を遡る、幻想、モノクロの映像、コロンビア映画とかいう文字が書いてあり借りてみた。

物語は20世紀初頭、ドイツ人の民族学者テオがアマゾン川を調査の途中病気になり、ゴム園の奴隷から救ってやった原住民マンドゥカの案内で、流民のカラマカテに救いを求めにやってくる。カラマカテはコイワノ族がヤクルナという植物を持っていてこれで治るという。ヤクルナはさらに源流にありヤクルナを求め3人はアマゾン川を遡る。

それから数十年後、今度はアメリカ人の植物学者エヴァンがテオの植物の本を元に幻の植物ヤクルナを探しにやってきて、老いたカラマカテにまた案内を乞う。カラマカテはみな忘れてしまった、という。映像はこの二つのアマゾン川のカヌーでの遡りが交互に現れる。

アマゾン川は時には池のように波ひとつなく、ある時は段差で流れが逆巻く。岸には鬱蒼たる密林があり、カラマカテの民族の神話、大蛇(アナコンダ)が空から降ってアマゾン川になったとか、ジャガーの目、とかそれらを象徴的に映し出す。ああ、白黒でよかった。蛇のヌルヌルとか密林の湿度、アマゾン川の濁った色、それらがみなモノクロである。大半の原住民の村はゴム園の開発で崩壊し、自身は農園の奴隷となったり、金が入ることで、それまでの平和な生活が白人によって覆されている。キリスト教の伝道も曲者で、親を亡くした子供たちを修道院に集め自らの言語を否定し、「正しい」白人の価値観を「伝道」している。

これらが、二つの時空の、二つの船での遡流でカラマカテの視点から映し出される。カラマカテは「動物はジャングルのもの」という。植物も同じだ。その禁忌を犯した時、原住民の村は崩壊する。崩壊してもそこに流れるのはアマゾン川。アマゾン川の中にあって人間カラカマテは点でしかないが、圧倒的な存在感で迫ってくる。若い時、老いた時、どちらの俳優もかっこいい! しかしこのカラマカテの世界がコロンビア人と呼ぶヨーロッパ世界によっていやおうなく崩されてしまってくる様がモノクロの画面から発せられている。

これを見ている自分は傍観者と言えばそうだが、圧倒的なアマゾン川の力と、悲しい民族の時空をモノクロの画面から受け取った。

彷徨える河 公式サイト

シーロ・ゲーラ監督 インタビュー 1981コロンビア生まれ。コロンビアは国土の半分をアマゾンが覆っているが、コロンビアで生まれ育った自身でさえ知らない事がたくさんあり、秘境とよばれるところがまだある。そこを知りたいと思ったのがこの映画を作ったきっかけだ、という。

アマゾン川を調査した実在の二つの手記を元に作られたとあります。

テオドール・コッホ=グリュンベルク ウィキペディア ドイツ語なのでわかりません。

アリ・ババ39ブログ  アリ・ババ39さんのブログに物語の元となったグリュンベルクとシュルテスの経歴が書いてありました。これによるとグリュンベルクがアマゾン川支流ネグロ川を調査したのが1902-05、シュルテスがアマゾン川を調査したのが1941だとあります。ドイツ語のウィキの「Von 1903 bis 1905 erforschte er den Yapura und den Rio Negro an der Grenze zu Venezuela (nordwestliches Amazonasgebiet). 」がなんとなくそうか。

なんとシュルテスは
図説快楽植物大全 -
図説快楽植物大全 -  アマゾンでこんな本が手に入り、ここに映画で追い求めた「ヤクルナ」も載っているか?
ラベル:アマゾン川
posted by simadasu.rose at 12:17| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする

2017年10月25日

ナミヤ雑貨店の奇蹟(映画)

山下達郎はすごい!

モチーフとなる第一の若者のギターの弾き語りはメロディが残らず、次の若い女の子の歌唱で、あれ、いい歌かもと思い、最後のエンドロールでの山下達郎の歌声で、歌詞の内容とも相まって力強い歌声に達郎ってすごいんだ、と唸った。山下達郎はFMの自らの番組はドライヴ中によく聞いていて人柄には好感を持っていたが、歌は積極的に聴いたことは無かった。改めて息長く人気のあるのが理解できた感じ。

【早期購入特典あり】REBORN(特典応募券付“CDサイズ"ジャケット絵柄ステッカー付き) - 山下達郎
 REBORN 山下達郎 なんとこの映画のために書き下ろされた50枚目のシングルということだ。なるほど映画に合ってるわけだ。

肝心の映画の内容は、やはり「REBORN」この歌に尽きるか。原作も読んでいず映画の前知識も無く、家人に誘われるまま観に行った。ラストは或いは若者3人が駆け出したとたん時空がクロスして消滅か死かなんていう結末もありかと思ったが、やはり幸せになるこれがいいんでしょうね。「黒笑小説」とかブラックな中にもやさしさがあるのが東野圭吾か。できすぎ、つながりすぎ、いい話過ぎ、と頭で思っているのに涙が出てきてしまうのでした。

東野圭吾の実家は時計屋さん。この映画に示されているような雑貨店や魚屋や飲み屋などがある自ら育った商店街をイメージした小説なのかなと思う。
 →東京雑社blog に東野圭吾の育った商店街の写真がありました。奇跡の起きた、そしてジョンの死んだ1980年12月は東野氏は22歳頃。ちょうど映画の魚屋の息子と同じ年頃だ。氏は電機関係の会社に就職するが稼業の時計屋を継ぐとか、この映画の魚屋の息子に自分を重ねる部分もある?

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) -
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) -  単行本は2012.3刊

posted by simadasu.rose at 17:43| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする
レンタルCGI アクセス解析 with Ajax Amazon