2017年12月17日

エルELLE(映画)

78歳のバーホーベン監督と、64歳のイザベル・ユペールが主演。この年齢に脱帽。

バーホーベン監督と言えば「氷の微笑」。 「氷の微笑」と言えば、下着をつけないまま取り調べの警官の前で足を組みかえる場面が一番印象にあるが、この同じテイストをこの「ELLE]にも感じた。う~んバーホーベン監督の女性観はこうなのか。78歳にしてこういう画面を撮るとは、原作本があるとはいえ、これから向かう年齢はやはり年取ってみないと実感できないなあ。

主人公はゲーム会社の女社長。関係する男性は、離婚した夫、同僚の夫、そして向かいの隣人。イザベル・ユペールほ実年齢は64歳だが関係の仕方から言って設定はせいぜい55歳あたりでないと・・・

ELLEとはフランス語で彼女という意味だそうで、すたすたと1人で歩く後ろ姿の彼女、といった映像に合ってる。
12.14劇場で

ELLE映画HP

エル ELLE (ハヤカワ文庫NV) -
エル ELLE (ハヤカワ文庫NV) -  原作フィリップ・ジャン。あのベティ・ブルー 愛と激情の日々-  の原作者でもあるということだ。

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2017年12月08日

オリエント急行殺人事件(映画)

オリエント急行内で1人の乗客が殺され、体には12の刺し傷。犯人は1等車の乗客の中にいる、また原作は1932年のリンドバーグの息子の誘拐殺人事件に着想を得て発表された、という情報のみで見た。

最初にイスタンブールの町や駅の民族衣装に彩られた人ごみ、そして雪のアルプス?を孤独に進む列車が上空から写される。これはもうすごい映像的な迫力。そしてクセのある乗客。中でも殺される富豪役のジョニー・ディップは顔に傷のあとも作りいかにもワルモノといった風貌。ポワロはTVで見ていた小太りのデビット・スーシェがン馴染みがあり、この映画のケネス・ブラナーはかっこよすぎではないかと見る前に映画のチラシを見て思ったが、映画が始まるとすんなりケネス・ブラナーのポワロにはまった。かっこいいポワロも有りだ。

誘拐事件と乗客との関係がだんだん明らかになって、雪の鉄橋での立ち往生の場面で謎が解き明かされるが、この鉄橋の場面も映像の迫力があった。謎ときが話される2分くらい前に、犯人はこうか?と思ったら、果たしてそうだった。

オリエンント急行の車体と、雪の中を進む列車と、クセのある乗客を演じる俳優を大画面で見る楽しさを味わった。
12.8劇場で

 →オリエント急行殺人事件 映画HP

1974年にも制作されていて、それにはイングリット・バーグマンが出て助演女優賞も得ている、というのでそちらもレンタルして見てみた。犯人を知ってから見ることになるが、こうなるとちょっとした顔の表情とか、伏線とかが分かり、犯人は誰か?というどきどき感とは別な愉しみを味わえた。
オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] -
オリエント急行殺人事件 スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD] -  イングリット・バーグマンは最初、老伯爵夫人役を打診されたそうだが、家庭教師役をやりたい、とそちらを演じて助演女優賞を得た。家庭教師はすごく地味な風貌の設定で、あまり登場場面も多くない。こちらで際立ったのは夫を2度とりかえている婦人役のローレン・バコールだ。バコールの方が派手な役だったので、こちらのほうがすごく印象に残った。

オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) -
オリエント急行の殺人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) -  原作は1934年発表。


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2017年12月02日

ブレードランナー2049

地球に明るい未来ってないの?

今作を見る前に、朧な記憶になってしまった前作の「ブレードランナー」をレンタルして予習。”SF映画の金字塔”などと言う文字が躍るが、あまり実感できいないまま、新作を見た。さらに荒廃の進んだ2049年、ああこの年には自分は死んでるかも、なんて思いながら見るが、緑の無い白茶けた地球、ロサンゼルス。ソニーの文字、怪しげな東洋趣味の店はまた出てくる。街に光はなく暗い。生野菜や動物も本当に希少なものとなっているらしい。

”金字塔”と評価するのは、人間の存在の本質?を問う?などということらしいが、情緒安定用の記憶、とかここらへん? だが画面からの直截的な印象は、「ターゲットを殺す」という画面が暗く展開する、という表面しか感じ取れず・・・ きっとこちらの受け皿が貧弱なせい? SFは好きなんだけどなあ。この映画を見た数日後、夕暮れの京浜工業地帯をバスで通過した。薄暗くてよく見えない工場群の巨大な影が2049年のブレードランナーの世界に似てるな、なんて思い、あの荒廃した街は現実となりかねないのかも、なんて思ってしまった。日本を支える工場群たち、ごめんなさい。
12.2劇場で
ブレードランナー2049公式HP

ブレードランナー ファイナル・カット [Blu-ray] -
ブレードランナー ファイナル・カット [Blu-ray] -  前作は1982年作。2020年が舞台。

アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) -
アンドロイドは電気羊の夢を見るか? (ハヤカワ文庫 SF (229)) -  1968作。原作を読めばまた違うか


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2017年11月13日

シン・ゴジラ(TVで)

シン・ゴジラ DVD2枚組 -
シン・ゴジラ DVD2枚組 -  2016.7.29公開

~想定外への痛烈な皮肉

最初、またゴジラかよ、という思いで見ていたが、官邸での会議が始まると俄然面白くなった。ゴジラに関しては脱皮前の茶色のヘンなのが少し気持ち悪かったが、脱皮後の黒い皮膚から赤い内部が透けて見えだして、ああ、ゴジラだとへんに納得した。

これはゴジラ出現という、前例のない、想定外の、事件に対する日本の政治の混乱ぶりを痛烈に皮肉ったものだろう。おなじみの俳優たちが、首相だったり、大臣だったり、アレっ岡っ引き稼業はどうしたの?とか見ながら同時に思ってしまった。

プロジェクトチームの作業服が各省バラバラだったり、御用学者の調べてみないと分かりません、にはそんな悠長な、と思ってしまい、ほんとに笑ってしまった。

ゴジラは先の3.11地震の混乱ぶりに重なる。しかし今度は放射能で避難するのは首都圏の大人口だ。首都圏でも避難はあり得るんだよ、またゴジラの対処が国連軍の判断に委ねられてしまうあたり、シリアとかの多国籍軍の攻撃とかの、「受ける身になるとこうだ」というのを示している。

最後は放射能が無害化される、というほっとする解決でつかの間の平安が訪れるが、最後の最後のアップ画面は孵化した?小さな怪獣が無数に映った。う~んこれは・・・

1954の最初のゴジラもみてみたくなった。
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2017年11月08日

ゴッホ~最後の手紙~(映画)

~なんてったってゴッホの絵が動くのだ!

あのゴッホの絵がそのタッチそのままに動き、糸杉、麦畑、教会、居酒屋のなかでゴッホはもちろん、絵の中に登場する人々、郵便配達、タンギーじいさんなどが動いている! やはり大画面で見たい、と思い映画館に出かけた。

物語はゴッホの一代記ではなく、ゴッホの死から始まる。配達されなかった最後の手紙を、アルルの郵便配達人ジョセフ・ルーランの息子アルマンが宛先の弟テオに渡しに行く。この郵便配達人ジョセフはヒゲの人で、もちろん絵になっていて、ゴッホには好意的だ。アルマンは最初ゴッホにはあまりいい印象をもっていないが、画材やのタンギーじいさん、最後の逗留地のオーヴェルで宿屋やボート屋、赤毛の少年、医師宅の家政婦に会い話を聞くが、皆それぞれ違うことを言い合う中で、ゴッホの人となりを知りゴッホに歩み寄る。最後にガシェ医師に会い、手紙はガシェ医師に託される。

始まりが死後からだが、足跡をたどるうちゴッホの人となり、絵を描く様子が、動くゴッホのアニメーションから立ち上ってくる。このゴッホの絵で動かす、という発想に脱帽。素晴らしい体験をした。アルマンがだんだんゴッホに心を開く様子が、ゴッホの絵が死後世間に受け入れられてゆく過程とも重なってくる。

ゴッホ公式HP 
アニメのための画家は125名、使用された油絵は62450枚。
 →日本人ではただ一人古賀陽子さんが参加。

→古賀陽子さんインタビュー(週プレ)

炎の人ゴッホ [DVD] -
炎の人ゴッホ [DVD] -  1956公開 11/4にNHKBSでやった。こちらは知っている通りのゴッホ像だった。最後は自殺。逆にこの映画やアーヴィング・ストーンの原作でこのゴッホ像が広まったとも。

炎の人ゴッホ (中公文庫) -
炎の人ゴッホ (中公文庫) -  1934初版 アーヴィング・ストーン著

ゴッホの手紙 中 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-2) -
ゴッホの手紙 中 テオドル宛 (岩波文庫 青 553-2) -  中巻・下巻が弟テオ宛の書簡集。上巻は親しかった画家ベルナール宛  手紙を読めば自分なりのゴッホ像がつかめるか?

たゆたえども沈まず -
たゆたえども沈まず -  原田マハ著2017.10.25幻冬舎刊 なんと原田マハがゴッホの小説をタイムリーに出版していた。日本人の画商とのつながりを描いているという。読んでみたい。

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2017年11月01日

タクシードライバー(BSで)

タクシードライバー [SPE BEST] [Blu-ray] -
タクシードライバー [SPE BEST] [Blu-ray] -  1976

~若き日のロバート・デ・ニーロの顔のアップがいい

公開は76年。当時、ジョディ・フォスターが少女で娼婦役をやった、ということや、このパッケージに見る、ポケットに手を入れてうつむきながら歩くこの絵も長らく目にしていた。

公開後40経ってやっと見たわけだが、うーん、なるほど、こういう内容だったのか、最後が肩透かし?死んだと思ったら生きていたからか? それで監督のマーティン・スコセッシをウィキペディアで見てみると、「シチリア系イタリア移民の家に生まれ、マフィアの支配するイタリア移民社会で育ったため、その人格形成と作品の双方にはその出自が深く影響し、腐敗した矛盾に満ちた現実のなかでいかに人間としての倫理と善良さを実践できるか、それがしばしば不可能であることの苦悩を追求する映画が多い。また、そのなかでは人間の人間に対する無理解と不寛容の直接的表現として、リアルな暴力描写が重要な位置を占める。」とあった。なるほどこの解説を読むと、そのままこのタクシー・ドライバーに当てはまる。なんか人の解説に頼る自分。それに映画の作られた75年当時のベトナム帰還兵とか、アメリカの世相とかが分かっていた上で映画を見れば、もう少し興味深く見られたかも。

ただしばしばアップになるロバート・デ・ニーロの顔に、いい顔だなあ、と思ってしまった。

タクシードライバー [Laser Disc] -
タクシードライバー [Laser Disc] -  街を浄化しようと決め、アパートで狙撃の練習に余念がない。

タクシードライバー (字幕版) -
タクシードライバー (字幕版) -  そしてモヒカン刈りにして、大統領候補を狙撃しようとするのだが失敗し、家出して娼婦をしている少女に説教しヒモや関係者を撃ち少女を「解放」する。

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2017年10月31日

彷徨える河(DVD)

彷徨える河 [DVD] -
彷徨える河 [DVD] -  2016.10公開

~モノクロ画面から放たれるアマゾン川の圧倒的存在

「ブレードランナー2049」を見る前に、あまりよく覚えてない前作「ブレードランナー」をレンタルしたついでに準新作コーナーにあったもの。「彷徨える河」という黒字に白の背表紙を手に取ってみると、アマゾン川を遡る、幻想、モノクロの映像、コロンビア映画とかいう文字が書いてあり借りてみた。

物語は20世紀初頭、ドイツ人の民族学者テオがアマゾン川を調査の途中病気になり、ゴム園の奴隷から救ってやった原住民マンドゥカの案内で、流民のカラマカテに救いを求めにやってくる。カラマカテはコイワノ族がヤクルナという植物を持っていてこれで治るという。ヤクルナはさらに源流にありヤクルナを求め3人はアマゾン川を遡る。

それから数十年後、今度はアメリカ人の植物学者エヴァンがテオの植物の本を元に幻の植物ヤクルナを探しにやってきて、老いたカラマカテにまた案内を乞う。カラマカテはみな忘れてしまった、という。映像はこの二つのアマゾン川のカヌーでの遡りが交互に現れる。

アマゾン川は時には池のように波ひとつなく、ある時は段差で流れが逆巻く。岸には鬱蒼たる密林があり、カラマカテの民族の神話、大蛇(アナコンダ)が空から降ってアマゾン川になったとか、ジャガーの目、とかそれらを象徴的に映し出す。ああ、白黒でよかった。蛇のヌルヌルとか密林の湿度、アマゾン川の濁った色、それらがみなモノクロである。大半の原住民の村はゴム園の開発で崩壊し、自身は農園の奴隷となったり、金が入ることで、それまでの平和な生活が白人によって覆されている。キリスト教の伝道も曲者で、親を亡くした子供たちを修道院に集め自らの言語を否定し、「正しい」白人の価値観を「伝道」している。

これらが、二つの時空の、二つの船での遡流でカラマカテの視点から映し出される。カラマカテは「動物はジャングルのもの」という。植物も同じだ。その禁忌を犯した時、原住民の村は崩壊する。崩壊してもそこに流れるのはアマゾン川。アマゾン川の中にあって人間カラカマテは点でしかないが、圧倒的な存在感で迫ってくる。若い時、老いた時、どちらの俳優もかっこいい! しかしこのカラマカテの世界がコロンビア人と呼ぶヨーロッパ世界によっていやおうなく崩されてしまってくる様がモノクロの画面から発せられている。

これを見ている自分は傍観者と言えばそうだが、圧倒的なアマゾン川の力と、悲しい民族の時空をモノクロの画面から受け取った。

彷徨える河 公式サイト

シーロ・ゲーラ監督 インタビュー 1981コロンビア生まれ。コロンビアは国土の半分をアマゾンが覆っているが、コロンビアで生まれ育った自身でさえ知らない事がたくさんあり、秘境とよばれるところがまだある。そこを知りたいと思ったのがこの映画を作ったきっかけだ、という。

アマゾン川を調査した実在の二つの手記を元に作られたとあります。

テオドール・コッホ=グリュンベルク ウィキペディア ドイツ語なのでわかりません。

アリ・ババ39ブログ  アリ・ババ39さんのブログに物語の元となったグリュンベルクとシュルテスの経歴が書いてありました。これによるとグリュンベルクがアマゾン川支流ネグロ川を調査したのが1902-05、シュルテスがアマゾン川を調査したのが1941だとあります。ドイツ語のウィキの「Von 1903 bis 1905 erforschte er den Yapura und den Rio Negro an der Grenze zu Venezuela (nordwestliches Amazonasgebiet). 」がなんとなくそうか。

なんとシュルテスは
図説快楽植物大全 -
図説快楽植物大全 -  アマゾンでこんな本が手に入り、ここに映画で追い求めた「ヤクルナ」も載っているか?
ラベル:アマゾン川
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2017年10月25日

ナミヤ雑貨店の奇蹟(映画)

山下達郎はすごい!

モチーフとなる第一の若者のギターの弾き語りはメロディが残らず、次の若い女の子の歌唱で、あれ、いい歌かもと思い、最後のエンドロールでの山下達郎の歌声で、歌詞の内容とも相まって力強い歌声に達郎ってすごいんだ、と唸った。山下達郎はFMの自らの番組はドライヴ中によく聞いていて人柄には好感を持っていたが、歌は積極的に聴いたことは無かった。改めて息長く人気のあるのが理解できた感じ。

【早期購入特典あり】REBORN(特典応募券付“CDサイズ"ジャケット絵柄ステッカー付き) - 山下達郎
 REBORN 山下達郎 なんとこの映画のために書き下ろされた50枚目のシングルということだ。なるほど映画に合ってるわけだ。

肝心の映画の内容は、やはり「REBORN」この歌に尽きるか。原作も読んでいず映画の前知識も無く、家人に誘われるまま観に行った。ラストは或いは若者3人が駆け出したとたん時空がクロスして消滅か死かなんていう結末もありかと思ったが、やはり幸せになるこれがいいんでしょうね。「黒笑小説」とかブラックな中にもやさしさがあるのが東野圭吾か。できすぎ、つながりすぎ、いい話過ぎ、と頭で思っているのに涙が出てきてしまうのでした。

東野圭吾の実家は時計屋さん。この映画に示されているような雑貨店や魚屋や飲み屋などがある自ら育った商店街をイメージした小説なのかなと思う。
 →東京雑社blog に東野圭吾の育った商店街の写真がありました。奇跡の起きた、そしてジョンの死んだ1980年12月は東野氏は22歳頃。ちょうど映画の魚屋の息子と同じ年頃だ。氏は電機関係の会社に就職するが稼業の時計屋を継ぐとか、この映画の魚屋の息子に自分を重ねる部分もある?

ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) -
ナミヤ雑貨店の奇蹟 (角川文庫) -  単行本は2012.3刊

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2017年10月23日

郵便配達は二度ベルを鳴らす(ルキノ・ヴィスコンティ)

郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版 [Blu-ray] -
郵便配達は二度ベルを鳴らす デジタル修復版 [Blu-ray] -

~ある日やって来た若い渡り鳥

「揺れる大地」の前週に上映していたのだが見に行けなかったのでDVDで鑑賞。
ヴィスコンティの監督デビュー作。1942年作だがイタリアは戦争してる最中だ。そういう時にこの内容。原作はアメリカが舞台だが、イタリア、ポー川沿いの町に設定している。街道沿いのうらうれたドライブイン、愛の無い年の離れた夫婦、そこにふらりと現れる風来坊の若い男。国は違ってもこういう設定で起きる出来事は同じになるのかも。

若い男役のマッシモ・ジロッティが映画が進むにつれ、だんだん魅力的な俳優に見えてきた。それに比べ妻役は「生活するために結婚している」という設定をきちんと演じているので、いまいち魅力を感じない。あくまでそれは役なんだけどね。
 →マッシモ・ジロッティ  ヴィスコンティのはほかに「夏の嵐」に出ているようだが 「テオレマ 」 というのを見てみたい。

ビスコンティの後の作、「地獄におちた勇者ども」とか「ベニスに死す」「ルードヴィッヒ」「家族の肖像」などと比べると別な世界がある。

郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫) -
郵便配達は二度ベルを鳴らす (新潮文庫) -  ジェームス・M・ケインの原作は1934年作。田口俊樹訳2014.8刊

郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫) -
郵便配達は二度ベルを鳴らす (光文社古典新訳文庫) -  池田真紀子訳こちらも2014.7刊

郵便配達は二度ベルを鳴らす [Blu-ray] -
郵便配達は二度ベルを鳴らす [Blu-ray] -  1981のジャック・ニコルソンのものは公開当時テーブルの上のシーンが話題になったのを覚えているが見てはいない。
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2017年10月22日

揺れる大地(ルキノ・ヴィスコンティ)

揺れる大地 デジタル修復版 [Blu-ray] -
揺れる大地 デジタル修復版 [Blu-ray] -  1948作

~俺は此処で生きる

ルキーノ・ヴィスコンティ生誕110年4没後40年メモリアル、イタリア・ネオリアリズモの軌跡という特集上映で。平日、お客さんはおおむね60代の男性10人位。

1948年作でイタリアシチリア島の漁村に暮らす漁師一家の崩壊と転落を描く。
所有する小さな漁船で漁に出るのはお祖父さん、(父は時化で亡くなっている)、長男、次男、三男、四男、家では母、妹3人と赤ん坊が待つ。つまり子供は8人。獲った魚は仲買人に安く買いたたかれてしまうが町の仲間と漁に出ればなんとか食うだけのお金は入っていた。だが長男が家を抵当に独立を企て、しかし嵐に漁に出たことから船を破損し船と家は人手に渡り朽ち果てた家に住むことに。次男は新しい展開を求め町を出、次女は警察署長の愛人?になり家を出る。やがて残った長男と幼い弟2人は雇われ漁師として船に乗る。長男はあくまでこのシチリアの漁村で生きようとするのだ。ネオレアリズモだって?ああ、なんという苦難。しかし残った三男はやけになり飲んだくれる兄をしり目に、なんとか小遣いをかせごうとするたくましさも描かれる。

街を出ようとする次男に、かつて一度町で兵隊?かなにかを経験した兄は「どこにいても水は苦い。ここで生きるのが一番いいんだ」と言い次男を思いとどまらせようとするが次男は怪しい男について町を出る。家を出た妹も含め2人のその後の展開も苦難があることは容易に想像できる。

作られた1948年が設定年代になっていると思うが、漁師町の主人公の家は仲間の漁師の家とさほど変わらない暮らしだが、家にいる妹たちは靴をはいていたり、はだしだったり。家の中のみならず通りでもはだしの時がある。風呂は無く、着ている服はボロボロだ。この当時の漁師はこういう生活なのか。シチリア、アーチ・トレッツァという漁村が舞台で出演者は全員住民からキャスティングということだが、演技は素晴らしい。石でできた家並みとか歴史的に貴重なフィルムになっているのでは。



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2017年10月18日

猿の惑星・聖戦記

~そして人間は言葉を失った・・・

前2作「創世記」「新世紀」を前日にDVDで観て予備知識を仕入れ公開初日に観てきました。チラシの副題が~そして、猿の惑星になる、いよいよ地球は猿の惑星へ、です。

新シリーズは旧作の4「猿の惑星・征服」の新解釈とのことですが、旧作だとシーザーはタイムマシンで3955年から1973年に来た知能を持った猿・コーネリアスとジーラの子なので知能が高い、ということになっていて、ではなぜコーネリアス達が知能を持つようになったのか?というのは示されていない。それが「創世記」では設定年代はおそらく制作年の2011年で、アルツハイマー治療薬をチンパンジーで実験したところ知能が高くなった、ということになっていて納得がいく。また多数の猿たちが知能を持った訳も、知能を持ったシーザーがより強固な薬を猿の檻にばらまいたので、また人間社会が崩壊するのも実はアルツハイマー薬は人間にとって有害だった、というのが最後に示されこれも納得がいく理由付け。

続く「新世紀」では親人間派のシーザー達と、生き残った親猿派の人間たちとが、お互い別の所で人間と猿は暮らすことになりかけるが、人間に虐待された経験を持つコバ達と、やはり対猿派の人間達により戦いの火ぶたが降りる。

そこでいよいよこの「猿の惑星 聖戦記 グレート・ウォー」。原題は War for the planet of the Apes なので聖戦記を除いてグレート・ウォーだけでいいのでは?とも思う。

設定は前作「新世紀」の2年後、猿対人間の戦いは続いている。シーザーは結婚し子供が二人いるが、人間の部隊マッククロウ大佐に妻と子供の一人を殺されてしまい、復讐の鬼となってしまい、かつて人間を憎悪した猿・コバと同じ心になってしまっている。シーザーの親としての苦悩や、猿社会対人間は現在の地球の国家間の争いにも通じるかと思うほど猿・シーザーはもう人間そのものといった体だ。最後は自然の驚異に大きな力を持たせている。

森に立てこもるマッククロウ大佐の部屋のシーンではジミヘンのヘイ・ジョーが流れ、地獄の黙示録を思い、一人森にいたバッド・エイプスは指輪物語で”いとしいしと”と言うスメアゴルを思い浮かべてしまった。
言葉を失った少女が持つネームプレートはNovaで、3955年の「猿の惑星」に出てくる女性と同じだ。また少女とシーザー達が馬に乗る様も「猿の惑星」の最後でテイラーとノヴァが馬に乗って浜辺を進むシルエットと重なる。

「創世記」が2011年だと「新世紀」は10年後ということなので2021年、「聖戦記」はその2年後なので2023年。旧作「猿の惑星」「新・猿の惑星」は3955年なので、1932年後にすべてが無になることになる。この聖戦記で人間は言葉を失い、実は地下に潜った人たちもいて・・ ということか。H・Gウエルズの「タイム・マシン 」 では人間が地上人と地下人モーロックに分かれる世界になっていて、地下人の食糧は地上人だった。未来を描く物語は多くが戦争で破壊された世界で、平和な楽園はでてこないなあ。

猿の惑星:創世記(ジェネシス) (字幕版) -
猿の惑星:創世記(ジェネシス) (字幕版) -

猿の惑星:新世紀(ライジング) (字幕版) -
猿の惑星:新世紀(ライジング) (字幕版) -

猿の惑星 [Blu-ray] -
猿の惑星 [Blu-ray] -  映画をみたあと旧作ももう一度見てみたくなり、5作全部レンタルしてみた。第1作を見たのは高校2年1973年の初テレビ放映で、翌日は教室で話題になった。やはりあのラストシーンは衝撃的だったが、今見てみると猿の家とか、え?という感じだった。

猿の惑星 (創元SF文庫) -
猿の惑星 (創元SF文庫) -  ピエール・ブールの原作は、もうひとつどんでん返しのオチがある。


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2017年09月25日

エイリアン・コヴェナント

~アンドロイドによる人間への復讐?

「エイリアン」の前日譚ということで、あの怪物エイリアンの誕生の謎が解き明かされる、とあった。なるほど最後にそれは解き明かされ、それはそれは恐ろしい、おぞましい、ぞっとする底知れぬ恐怖が忍び寄ってきた。

エイリアンの1から4はほぼ公開時に見ていたが「プロメテウス」 [Blu-ray] - はまだたったので前日にビデオで鑑賞。エイリアン [Blu-ray] - の方も随分昔なので忘れてしまってネットでいろいろ検索して復習した。また、プロメテウスもこの本作も映画だけだとわからない部分もあって、見終わったあと改めて検索してようやく全貌がつかめた感じ。

エイリアンは「宇宙船が未知の惑星に降り立ち、謎の生命体を発見、乗組員がそれに寄生され、やがて体内から怪物が誕生する」というダン・オノバンの発想が基になっているようだが、リドリー・スコット監督、エイリアン前日譚こう来たか、という思いだ。

前日譚はあと1本で終わりとなるようだが、本作の続きがどう「エイリアン」に続くのか、「エイリアン」で見られるあのチューリップ型の大きな卵の乱立、本作では乱立まで行ってなかったと思うが、アンドロイドがどう動くのか。それにしても「プロメテウス」の最後の生き残りエリザベスがなんとも悲しい。

「エイリアン・コヴェナント」映画公式ページ

なんとギーガーのドキュメンタリー映画が作られ今公開されている!
映画「H・Rギーガーの世界」

昔ギーガーの画集を図書館で見たことがあった。最初トレヴィル/リブロポートの発売で後に河出書房新社で再版されたようだ。見たのはネクロノミコンだったか。灰色のメタリックなしかし丸みのある世界に引き込まれた。トレヴィルのはハードカバーだったが再版ではペーパーバックとある。
ギーガーズ・エイリアン (パン・エキゾチカ) -
ギーガーズ・エイリアン (パン・エキゾチカ) -  

ネクロノミコン 1 (パン・エキゾチカ) -
ネクロノミコン 1 (パン・エキゾチカ) -

Brain Salad Surgery - Lake & Palmer Emerson
Brain Salad Surgery - Lake & Palmer Emerson EL&Pのジャケットにもなった。LPだと大きいからね。1973年発売だからギーガーには早くから注目してたのか。
 
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2017年04月10日

T2トレインスポッティング2

前作から20年後の設定で出演者も監督も同じ。前作はお店でイチ押し展示されてたCDを視聴し1曲目の「ラスト・フォー・ライフ」に圧倒されて映画も見に行ったのだった。ラスト・フォー・ライフは確か冒頭で出てきたような気がするが、もう記憶があいまいだ。ただ当時、もう若者でなかったので、主人公がかなり年若いガールフレンドを家に連れ帰った時の親の方の気持ちになったことを覚えている。そして舞台はエジンバラ、亡き友を偲んで訪れた所はハイランド、というのが今回分かった。前作はそれも分からずみてたような気がする。というのもウイスキーに興味を持った2年前以来、ハイランド、ローランドなるスコットランドの地理が少し分かりそこら辺も興味深かった。また前作では気付かなかったが、英語も方言があるのか今回教科書英語とはまるで違って聞こえた。

主人公たちは46歳の設定である。あのどうしようもないけど突き進む青春の息吹がびんびんと満ちていた20代から20年。容姿と周りの状況は否応なく変化したけど、どうしようもない中身は変わってない。しかしまだ46歳だよ、これからまだ20年あるぜ、ひと花咲かせられるぜ、と還暦を迎えた身では思ってしまった。

T2映画HP

T2 トレインスポッティング -オリジナル・サウンド・トラック - ARRAY(0xf258430)
T2 トレインスポッティング -オリジナル・サウンド・トラック - T2サントラCDが既に出ている。T2では「ラスト・フォー・ライフ」はプロディジー。

トレインスポッティング - ARRAY(0x11998ae8)
トレインスポッティング -  1作目CD。イギー・ポップの「ラスト・フォー・ライフ」はやはり圧巻。

トレインスポッティング [DVD] -
トレインスポッティング [DVD] -  


T2 トレインスポッティング〔上〕 (ハヤカワ文庫NV) -
T2 トレインスポッティング〔上〕 (ハヤカワ文庫NV) -  原作は9年後の30台半ばであるようだ。

トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV) -
トレインスポッティング〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV) -  1作目原作。
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2016年12月29日

コナン・ドイルの事件簿~シャーロック・ホームズ誕生秘史(DVD)

コナン・ドイルの事件簿 VOL.1 [DVD] -
コナン・ドイルの事件簿 VOL.1 [DVD] -
2000~2001にかけてBBC制作のドラマ。町の図書館で1本借りてきたらはまってしまい全5巻を2日間で見てしまいました。

主人公はホームズの作者のコナン・ドイル。ホームズはドイルの医学校時代の恩師ベル教授がモデルである、というのはシャーロキアンならば周知の事実、ということらしいですが、なんとまったくこのドラマを見るまで知りませんでした。4巻を最初に見たのですが、医者のドイルが事件解決のため恩師のベル教授を呼び、それをメモに残している、という場面があったので、教授がホームズでワトソンはドイルなのか、と気づいたのです。

1巻ではひょんなきっかけからベル教授の助手になり、また父の懐中時計からベル教授に父親の病気と来歴を言い当てられ、たくさんの兄弟のいる実家、若き日の医学生ドイルがとても生き生きと描かれています。またベル教授もとても魅力的なおじさんに映ります。時代設定は1800年代後半ですが、セットが当時のイギリスの状況をリアルに表現して、同じBBCドラマのジェレミー・ブレッドの「シャーロック・ホームズの冒険」 を彷彿とさせます。また女子医学生と恋に陥るドイルですが、当時、女子学生が大学で学ぶ苦難も描かれています。

ホームズだと、事件そのものが全面に出て(あたり前ですが)、ナゾを解くホームズと、「どうだね、ワトソン君?」と、ワトソンは謎解きに関してはちょっとばかにされてるような設定となっていますが、このドラマを見ると納得しました。自身のベル教授との関係は師弟関係ですからね。また実際のドイルの恩師のベル教授は現場や死体からのプロファイリングを得意としていたようです。

脚本は、まったくのドラマオリジナルのようですが、ホームズものを掛けているいるものもあります。2巻「惨劇の森」では自転車に乗る女性が見知らぬ者に後をつけられる、という設定で、これはホームズにも同じ設定の「美しき自転車乗り」があります。特に第5巻のダニエル・ボイルは「トレインスポッティング」 の監督と知ってびっくり。5巻は謎が入り組んでいます。ドイルの弟がたまに出てくるのですが、これまたやんちゃでおもしろく、何巻かの最後でベル教授からプレゼントを貰い、それがあのホームズの被っている鹿撃帽なのには思わずニンマリしました。

コナン・ドイルの事件簿 DVD-BOX シャーロック・ホームズ誕生秘史 -
コナン・ドイルの事件簿 DVD-BOX シャーロック・ホームズ誕生秘史 -  全5巻BOX版もあり

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2016年09月18日

さらば愛しき人よ(BS)

映画チラシ「さらば愛しき人よ 」シャーロット・ランプリング -
yti380洋画映画チラシ「さらば愛しき人よ 」シャーロット・ランプリング -

録画してあとからで見ようと思っていたのが、居眠りから目覚めたら開始後5分くらいだった。映画に何の知識もなく、題名とロバート・ミッチャムという俳優で見ようと思ったのだが、見始めたらぐいぐい引き込まれた。あれ、マーロウ? 私立探偵? おっとこれはあの「ロング・グッドバイ」の探偵か、と思い、映画もマーロウの語りで進められる。英語が分かれば、この語りも名フレーズがちりばめられているのだろうなあと思いながらみる。この手法は合っていたのではないか。「ロング・グッドバイ」の映像というと同じNHKのドラマの浅野忠信の世界をだぶらせながら見てしまった。異和感はない。

依頼が、ム所に入る前につきあっていた女を探してくれ、である。題名と依頼人のあの風貌から、どんな女性なのか?と 引き込むツボがある。まあ題名の「さらば愛しき人」は原題の「FAREWELL, MY LOVELY」そのままのうまい訳で、この題名が最後のオチとなるのだった。なにせ情報が無いので時代は見ながら推測するが、ディマジオが打った、とこれも時間の進みにキーとなるものなのだが、あれ、ディマジオってマリリン・モンローと結婚した人だったかな?とすると50年代? でもロシアが進行、とあるので40年代の今まさにあの戦争が始まろうとしている? あとで調べたら原作はシリーズ2作目で時代は1940年LAということだ。

時代設定のせいか黒人の命が軽い。しかしそこは逆に作者が皮肉っている。黒人に限らずよく人がバタバタ死ぬ。そして極めつけは「愛しき人」だ。有力者の妻で出てきたのが、なんとシャーロット・ランプリングだった。76年の映画で一番きれいな時ではないか。ほんとに美しい! しかし、美しすぎて、無垢な感じがしてしまう、役どころは無垢ではない。「愛しき人」はム所帰りの恋人だった時は酒場の踊子だ。それに、ネタバレになるが一番のワルモノなのだ。最後になると、チャンドラーってほんとは女が嫌いなのか、あるいは信用してないのかと思う。ロング・グッドバイでも最後は主人公の美しい女にマーロウも周りも軽く翻弄されて終わる。でもなにか惹かれるマーロウ。図書館で「大いなる眠り」 を借りてきてしまった。

さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫) -
さよなら、愛しい人 (ハヤカワ・ミステリ文庫) -  原作本。2011の村上春樹訳。1976の清水俊二訳が「さらば愛しい人」題名はこちらの方がかっこいい感じがする。
映画はVHSのみのようだ。

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2016年07月31日

さざなみ(映画)

毎週の新聞映画紹介欄のシャーロット・ランプリングの老境の顔と紹介文で観てみようかと思った。

土曜日に結婚45周年のパーティーをするその週の初めに届いた、知り合う前の夫の昔の恋人の死体発見の通知。映画は、月曜、火曜、水曜、と一日ごとに進む。次第に見えない昔の恋人に対し普通ではいられない感情に捉われる妻。夫も昔の感情を思い出しているように思える。そして迎えるパーティーでの夫のスピーチ。夫は妻に記念のペンダントを送り、「人生の選択はまちがってなかった。妻よありがとう」と言い涙をながす。夫は画面から去り、S・ランプリングの顔が大写しになって映画は終わる。スピーチではえーっつ、納得したの?なーんだ、と一瞬思ったが、大写しのランプリングの顔は憂いに満ちている。

チラシは夫の顔が4分の1で表情は見えない、ランプリングは8割映っていて、グレイの目と結んだ唇が映画の内容を物語っているようだ。設定では1962年に夫が25歳なので、制作年2015だと夫は77歳、妻は10代で夫と知り合ってることになっているので70歳位の設定か。するとこの後夫の平均寿命まで10年位は結婚生活が続くわけだ。いや続かないか。監督は42歳である。夫の昔の女性関係に妻の心にさざ波が起こる、というのはよくあるだろう。それが結婚1年目か20年目か45年目か。1年目に起こっても封印し、それが45年目にまた再燃するかもしれない。紹介文を見た時からこの映画は夫とは観たくない、1人で観たいと思ったが正解だった。

場所はイギリス郊外なのか、非常に美しい田園風景に溶け込む毎朝の犬の散歩のランプリングの足の長さよ、実年齢70歳という姿のよさよ。(しかし身長は自分とほぼ同じなのだ)

「さざなみ」公式サイト

「さざなみ」映画comサイト
  監督インタビュー 42歳の監督に老境の夫婦の心情を見透かされる・・

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2016年05月14日

サンローラン(ギャスパー・ウリエル主演)

サンローランの最も輝いていた1967年からの10年間を描いたもの。レヴェナントの次の日に観ました。時代差150年、対極の世界です。こちらは晩年のサンローランにヘルムート・バーガーが出ていると知って観てきました。時の流れと人間関係とファッションと、その制作現場と。一時代を築いたサンローランの内側を知る格好の映画でした。サンローランの服は一度も着たことはないけれど、ファッションと人生にとても興味が湧きました。少し前に別のサンローラン映画も公開されていたようで、こちらはサンローラン財団公認のもの。しかし、どちらも俳優はそっくりです。本物がかっこいいのね。共同経営者のピエール・ベルジェやその他の恋人との描き方の違いなのか。

肝心のヘルムート・バーガーは、「これは4代目だ」とフレンチブルドッグをなでながら出てきましたが、江守徹を思い浮かべてしまう風貌だった。でもファンは貫きますよ。このフレンチブルドックはスパイスでした。薄暗い自室で1人TVでビデオを見てる場面があって、それが「地獄に堕ちた雄者ども」だった。おもわずにんまりしてしまった。

「サンローラン」公式サイト

SAINT LAURENT/サンローラン [DVD] -
SAINT LAURENT/サンローラン [DVD] -  もうDVDが発売されている

イヴ・サンローラン [DVD] -
イヴ・サンローラン [DVD] -  こちらはサンローラン財団公認のもの。

イヴ・サンローランへの手紙 -
イヴ・サンローランへの手紙 -  ピエール・ベルジェ著 2011  サンローランが亡くなってから書かれたもの。

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レヴェナント(蘇えりし者)

久々の劇場での映画。なんと人類資金以来2年ぶり。ディカプリオが念願の主演男優賞を取ったのだからこれは観に行かねばなるまい、久しぶりに観たい意欲が湧いたのだが、シネコンで大きい部屋かと思ったら小さい部屋で4割位の入り。

予備知識は、息子を殺されて復讐のため過酷な自然でサバイバルして目的を遂げた、しかも実話であるとのみ。圧倒的な自然を描きたかったとも。季節は冬で画面は雪の白と、針葉樹の大木群の幹がそそりたつ根本には冷たい、川にならない水の流れが一面に広がる。そこを荒くれた男たちがびしゃびしゃと歩く。寒くて冷たくて靴の中は水だらけだろうなあ。
毛皮をとっているが、時代は1800年代初盤(調べると1823)、お決まりのインディアンとの軋轢。しかし21世紀の映画だ、ここは俺たちインディアンの土地なんだ、という被征服者側の思いはきちんと描かれていた。なにより息子の母はインディアンなのだ。「ダンス・ウイズ・ウルブス」とか、同じアメリカ初期を描いた「ギャング・オブ・ニューヨーク」が頭をよぎる。うーん、アメリカも初期は無茶苦茶無法だ。

2時間半、画面での時間の流れは2カ月位なのか。同じ2時間でも人の一生を描いた映画とは随分違うなあなどと頭の中で思いながら見終える。雪の大木群、雪の延々続く荒野、そこを縫う水量のある冷たい河、ひたすらに前進するディカプリオ。圧倒的な自然は感じました。

根底は「家族への愛」だそうです。イニャリトウ監督

映画公式HP

レヴェナント 蘇えりし者 (ハヤカワ文庫NV) -
レヴェナント 蘇えりし者 (ハヤカワ文庫NV) -

レヴェナント:蘇えりし者【DVD化お知らせメール】 [Blu-ray] -
レヴェナント:蘇えりし者【DVD化お知らせメール】 [Blu-ray] -

4・23
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2015年12月29日

原節子去りぬ 昭和の美神(週刊朝日増刊)

週刊朝日増刊 『原節子去りぬ』 -
週刊朝日増刊 『原節子去りぬ』 -  2015.12.20

ついに亡くなってしまった。先日はBSで東京物語をやっていて思わず見入ってしまった。
版も大きく、秋山庄太郎の大判の写真と、主要20作品解説と全作品リスト、また香川京子など11人の追悼文、1952年週刊朝日でのインタビュー記事、あなたの背丈はどのくらい?足袋の文数は? に(暗誦せるものの如く一気に)五尺三寸、十四貫、九半 と答えている。時代ですね。巻末は朝日新聞に載った記事38。昭和11年から平成6年。平成6年は土地を売って長者番付75位とある。薄いが見ごたえあり。
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2015年12月05日

狩人の夜(BSで)

狩人の夜 [DVD] -
狩人の夜 [DVD] -

見たのは半分あたりからか。水中、川の中で水草がゆらめいた先に白い服の女の人が黒髪を同じ方向になびかせている、という場面から。水面では小舟から、からまった釣り糸の先を覗き込む老人。言えば俺が犯人にだと思われる・・ と現れる上目使いのロバート・ミッチャム。最初、シルベスタ・スターロンかと思ってしまった。地下室の兄妹。温かい料理を持って現れる隣の老婦人。木の上のフクロウ、地面のコウサギ。
 ここらでググってしまった。筋はわかっても何か引き込まれる。助けられる鍵となる老婦人がまたいい。リリアン・ギッシュ。お兄ちゃんの七三分けの髪の毛が時代を感じさせる。こういうのを、フィルム・ノワールというのだ、とあった。黒い映画~救いようのない虚無的・悲観的・退廃的な指向を持つ犯罪映画なのだという。「郵便配達は二度ベルを鳴らす」など、とあった。なるほど空気は似ている。1955年公開。

狩人の夜 (創元推理文庫) -
狩人の夜 (創元推理文庫) -

原作がもともと1953の発売時、ベストセラーとある。

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