2015年12月29日

我が家のヒミツ(奥田英朗)

我が家のヒミツ -
我が家のヒミツ -  2015.9.30

我が家シリーズ第3弾。今回も家庭をめぐる短編が6つ。
しかしだんだんまあるくなってきてる気がする。
「妻と選挙」では突然市議会議員に出ると言いだした妻を応援する夫と家族の話。 「家日和」の”妻と玄米御飯”のロハスにはまる妻が、 「我が家の問題」の”妻とマラソン”ではマラソンに出場し、今回は選挙である。 次は総理大臣か?宇宙飛行士か? それとも小説を書き始めるか?
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2014年12月24日

田舎でロックンロール(奥田英朗)

田舎でロックンロール -
田舎でロックンロール -  2014.10.30

1972年~1977年までの、奥田氏中1から高校3年までの洋楽ロック青春記。
奥田氏がロック好きなのは小説のはしばしからこぼれていたが、この本でその履歴が明かされる。
同じようなものにイラストレーター牧野良幸氏の「僕の音盤青春記1971-1976」がある。牧野氏は愛知県岡崎市。奥田氏は岐阜県各務原市。牧野氏のも中学から高校にかけてのもので、70年代に、田舎で、中高時代に洋楽に目覚めのめり込んでゆく、という図が描かれている。同じ時期、同じような田舎で、ラジオから、何か今まで聴いてきた日本の音楽とは違う、聴いたことの無い、ワクワクする音とで出会う、このワクワク感、初めて経験する、というこれが青春だろう。

奥田氏は、中一になり小遣いでラジオを買う。最初は南沙織や天地真理などの歌謡曲、そしてフォークに移り、AMラジオにリクエスト葉書を出す。半年もすると外国のポップスに心をとらえられ始める。「木枯らしの少女」「愛するハーモニー」「気になる女の子」・・(ああ、なつかしいですねえ。深夜の暗闇のラジオからの音) これら外国の音楽に惹かれた理由を「なぜかしらん、自分でもよくわからん。西洋に対するあこがれがあったのか。」「外国のポップスを聴くと、日本の音楽はどれもみすぼらしく感じ、もう歌謡曲にもフォークにも戻れなくなった」とある。英語に関しては「ボイス、楽器として聴いている」と。ここがまったく同じだ。

日本語の歌が好きな人にはよく、意味もわからないのに、といわれるが洋楽に夢中になるタイプは、英語、歌詞の部分は楽器として聴いているのである。ここのところが、邦楽派か洋楽派かへの分かれ目ではないか。

当時外タレ(古語ですか)は東京にしかこないものと思っていたが、名古屋にはけっこう行ってたんですね。氏は高校時代にクイーンとかサンタナを名古屋で観ている。
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2012年01月30日

用もないのに(奥田英朗著)

用もないのに (文春文庫) [文庫] / 奥田 英朗 (著); 文藝春秋 (刊) 2012.1.10 文庫

店頭で目につき目次を見ると、「おやじフジロックに行く・・」おお、これは、奥田氏もついにフジロックに行ったのかと思い立ち読みし始めるともう止まらない。そのまま読んでるわけにも行かないので買ってきました。

う~ん、なるほど。おやじがフジロックに行くには友が必要とな。これは2005年10月の「小説すばる」初出だから、氏は46歳であります。あー、自分もあと10歳、いや15歳くらい若かったら、誰かつかまえて行ってるだろうなーと思ったことがありますが。職場でも30位の若いもんが幼子連れで行ったりして、今年は「フジロックまんじゅう」なんぞもらいました。それはともかくおお、こういう雰囲気かというのがよーくわかりました。なんか氏といっしょに会場にいるような気になってくる文章の臨場感です。ビーチ・ボーイズにソウライブ、ベックになんとザ・ナックである。いいなあ、奥田氏。

次はこれまた笑いをこらえきれない「灼熱の愛知万博駆け込み行列ルポ」なんと、愛知万博、つい2,3年前だな、という気がしていたのですが、2005年9/8日号週刊文春掲載です。ぬぁーんと7年も前の出来事だったんですね。それにしても時の経つ速さよ。実は愛知万博、マンモス見に行きたいな、と思いつつかなわなかった。で、氏はあの大阪万博と比べて、その落差に腰を抜かす?という具合です。氏は大阪の時は小学5年のはず。きっと小学生にはすべて大きく見えたのよね。行列のなかったアジアとか中東館の気抜け感が書かれてますが、これ、大阪万博も同じだったような気がするなあ。しかし、フジロック同様、行けなかった愛知万博、8月の高熱と行列の臨場感が味わえました。

しかし、読むうち、へえー 小説家って「行きたい」っていうと担当編集者が段どって、ただで旅行できるんだ、などと思いましたが、よく考えると、ルポ書いてくださいねー ということですね。

フジロックと愛知万博、さらに次の「ジェットコースター体験記」の3つが臨場感いっぱいでおもしろかったです。富士急ハイランドのジェットコースターは54歳までだそうだ。行くなら正に今だわいねーと思いながら身震いしました。野球編は守備範囲外の分野なので、読まないかなともおもいましたが、ニューヨークで松井を見る、は番外編でのジョン・レノンのアパートとジャズクラブとかがおもしろかった。

野球や音楽のルポってのは、文中にミュージシャンや選手の名前が出てくるのが楽しいのだ。なので野球の描写はさっぱりわからず、また誰が打とうがどうでもいいじゃん、としか思えず、奥田氏が好きな野球を理解できないのが悲しい。amozonの評では野球には興味がある、という人の評は私とは逆で、遠足編はつまらなかった様子。でも出版社諸氏との珍道中の会話、実際の言葉尻は違うんだろうけど、なんてうまいのかね。

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2011年08月27日

我が家の問題(奥田英朗)

我が家の問題 [単行本(ソフトカバー)] / 奥田 英朗 (著); 集英社 (刊) 2011.7.10

奥田英朗の最新作。表紙が「家日和」と同じ人の装丁。街並みのミニチュアだ。短編6作。

一番おもしろかったのは最初の「甘い生活?」 新婚なのに家に帰りたくなくなった、で始まる。新婚のカップル。夫と妻、それぞれの思い込みを描いている。広告会社勤務の夫、大手ゼネコンを寿退社した妻。広告会社では男女平等が当たり前だった(と書いてある)ので寿退社がまず最初の違和感。
妻渾身の手作り料理に息苦しさを覚えてしまった夫。解決をはかるべくマージャンを誘い同僚に相談する、その会話がおもしろい。
「原因を箇条書きにしてみろ」
「まず毎日の手料理が凝っていて負担を覚える」
「馬鹿かおまえ。愛情がこもってる証じゃないか」
「おれはね、適当に手を抜いてもらった方が気がらくなんだ」
「わかんねえ野郎だな」・・とリズミカルな会話が続く。この会話がいいんだなあ奥田氏は。

夫の会社のソフトボールの試合で夫の会社での位置に不安を抱く「ハズバンド」
両親が離婚しようとしてるらしいことを知っ女子高生とその弟を描く「絵里のバイブル」
突然夫がUFOに遭ったを言い出す「夫とUFO」
結婚して初めてのお盆にそれぞれの郷里に帰った夫婦を描く「里帰り」
売れ出した小説家の夫と妻・・「妻とマラソン」

似たような短編集の「家日和」の方がどれもひねりがきいてたかな。最後の「妻とマラソン」は自身の家庭のことも多少ネタになってるのか、なんて思ってしまう。

と思ったら奥田さんは独身でした。
我が家の問題刊行記念サイトにインタビューあり 「家日和」の中の「妻と玄米御飯」に登場した売れっ子作家・大場康夫一家が再登場だそうです。そうだったか。この玄米御飯は最高ですね。

作家の読書道に奥田さん 今から10年前の記事 中野翠が好きだと言っている
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2009年10月24日

無理(奥田英朗)


無理

無理

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/29




奥田英朗の最新作。木曜に本屋に行ったら売り上げ5位ってなっていてひら積みに。さっそく買ってほぼ土曜1日で読んでしまった。

複数の主人公を配し、それが最後にクロスするというもの。
舞台は東北のとある中都市。太いバイパスが出来て中心商店街が泣いている設定。会話から福島近辺か?と想像。
・県庁から市に出向している生活保護のケースワーカー、
・都会にあこがれ東京の大学に進学ようとしている高校二年の女子高生、
・暴走族あがりで詐欺まがいのセールスをしている20代前半の男、
・スーパーの店員をしながら新興宗教にすがる離婚して一人暮らしの48歳の女性、
・親の地盤を受け継ぎ県議会にうって出たい市会議員。
この5人の話が平行して語られながらだんだんクロスして文字通り十字路で爆発したところで終わる。このクロス具合がなんとも緊迫感がありパチンと風船がはじけるよう。

5人の描写がとってもリアル。特にケースワーカーなど密着取材したのではないかと思うほど。5人は小さな町でありのごとく生きているという感じで、地方の中小都市の閉塞感と何もない、というのが底に流れている。奥田氏は地方都市の疲弊感を描きたかったらしいのだが、これは東京でも同じような気がするのだが。。確かに東京は刺激に満ちているが自宅の茶の間は地方も都市も同じではないか。地方出身の人が東京に出てしまうと、18まで過ごした故郷が頭の中にありそれと較べてしまうのではないか。Uターンして30年、けっこう地方も捨てたもんじゃない、と思えるようになってきてるのだが。。

地方論議はともかく、5人の生き様はどれも案外一人の人の中にすこしずつあるもんじゃないか、なんて気もする。

文芸春秋社奥田英朗インタビュー 故郷の岐阜も魅力がなくなっている、と答えているが。。


アモーレス・ペロス
アモーレス・ペロス スペシャル・コレクターズ・エディション [DVD]

 3人の主人公が交差するアモーレス・ペロスをちょっと思い浮かべてしまった。
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2008年12月29日

オリンピックの身代金(奥田英朗著)

オリンピックの身代金
奥田 英朗
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 2008.11.30

昭和39年7月 東京オリンピック開催に向けて沸き立つ日本。そんななか秋田から出稼ぎに来ていた一人の男が死んだ・・ そこから始まる開催日10月10日までの怒涛の3ヶ月。

男の死因はオリンピック工事現場での心臓まひということだが、東京での火葬に家族は旅費も工面できず、弟で東大大学院生の島崎国男が見守り、遺骨を胸に抱き故郷での葬式をする。そこで見たのは勢いよく発展する東京とは裏腹の貧しい村の現実。頭のよい自分だけ大学に行ってる、という居心地の悪さを感じる。兄の現場でひと夏を働くことに決めると、机上の学問世界では知り得ない工事現場の現実が見えてくる。国家威信をかけたスポーツ大会の下に単なるモノとして扱われる日々の中で次第にオリンピック開催に対する義憤のようなものが沸きあがり、それはテロによるオリンピック阻止、という行動になって行く。

主人公国男の心理の描写と、対する警察の組織、刑事の心理、また工事現場の出稼ぎ人達の心理、が56の章立てでまるで映画のチャプターを見るように進んで行く。今までの「最悪」とか「邪魔」とかに通じるハラハラドキドキ、え、この先どうなるの?という緊張感、もう読み出したら止まらないおもしろさだ。

これは映画にしたらきっとおもしろいだろうと思ったが、主人公の国男は私の中では佐々木蔵之助のイメージ。あーしかし役では24才だからちと無理かなあなどと考えたり。。対する相棒村田は左とん平か?

時代が昭和39年ということで、奥田氏は華やかなオリンピックの影に「こういう一個の人生があるんだ」というのを描きたかったという。当時5才の氏自身にはオリンピックの記憶はほとんど無いそうで、かなりの資料を読んで、世の中がかなりオリンピック一色になっていた、という印象をもったという。

私はオリンピック時は小学2年だったが、国道沿いに学校があり、聖火リレーは沿道で旗を振って見た。白っぽいオレンジ色が今でも目に浮かぶ。始まってからは1日1授業分TV室でオリンピック中継を”見されられた”(連日続くとまたかーと皆いやがってた記憶) 秋の運動会では全校輪になっての「東京五輪音頭」だ。・・と田舎の小学生の記憶はこんなもんなのだが。。 読みながら当時のことを思い出したり、2年後に、一家ではとバスに乗って行った代々木の体育館などを思い出した。

「三丁目の夕陽」にも通じる、高度成長以前の日本の姿が行間から滲み出る。北京オリンピックがかなり「国家の行事」として仰々しく写ったが、きっと東京オリンピックもそうだったのにちがいない、という感じがした。また音楽好きの奥田氏らしくビートルズに熱狂している女性も登場させている。また当時は職場に戦争経験者がまだ多数いた時代なのだなあ、というのが会話とか描写に巧みに入れられている。そこらへんは英国も同じなのか「ビートルズがやってくるヤアヤアヤア」ではポールと誰かが汽車に乗っててバカ話をしてると、正面に座ったじいさんが「わしらはこんな若造のために戦争したのかい?」という場面があるのだ。

惜しむらくは、最後の国男の描写。最後の意識をちょっと描いて欲しかった。映画にしたらら今までの場面とかをババッーとフラッシュバックさせるような画面にするかなあ、などと考えた。あとTシャツとギターのピックが出てくるのだが、あの時代Tシャツは一般的だったのかなあ、国男にギターピックは身近だったのかなあ、などとちょっと疑問な感じがした。

角川書店ノページ
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2007年09月01日

サウスバウンド(奥田英朗著)

サウス・バウンド
サウス・バウンド
 2005.6

これも文句なしにおもしろい。読み出したら止まらない。
6年生の二郎と4年生の妹桃子。それに44才の父と42才の母、21才の姉が家族。父と母は昔学生運動の活動家という設定。父のことがよくわからず友達と調べる時の会話に「三十年ぐらい前に大学生があちこちであばれたらしい」「でもその頃父はまだ中学生ぐらいだ」「父は流行らなくなってからの学生運動の人だったのか」とあるので舞台は書いてる最中の2003年くらい、奥田氏自身の年頃設定とみられる。

前半は中野駅の近くと思われる自宅と学校、二郎の級友たちの日常が描かれる。この6年生・少年、の日常生活がとても生き生きしている。奥田氏は自分の少年時代を思い出して書いたというが会話、心理などなにかすがすがしいくらいにまぶしい。

後半は一転して西表島が舞台となる。やむなき理由で西表に移住することになった二郎たち家族。そこでも島の生徒5人とのやりとりがさわやか。そこに環境問題とかがからみ・・ 

西表にくると「なんだかお母さん、たががはずれたみたい」と二郎は感じるが、中年夫婦、南の島で解き放たれる、といった風情だ。
子供を育てるって? 夫婦って? 社会生活って? といった?を南の島を舞台に投げかけてくる。

奥田英朗氏の「サウスバウンド」のインタビュー

なんと映画化されるらしい。2007年10月公開。→
読みながら映画にするなら父は阿部寛だな、と思ってたのに・・ なにせ185cmという設定だもの。

SOUTHBOUND ダイアーストレイツの歌にあったなあ ♪「Dire Straits」
 Southbound again I don't know if i'm going or leaving home こちらも家を離れる歌 
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2007年08月29日

町長選挙(奥田英朗)

町長選挙
町長選挙
 2006.4

伊良部シリーズ3作目。いやおもしろい!! もっと早く読めばよかった。買おうかどうしようか迷ってて、そのうち忘れ、たまたま図書館にあった。

「オーナー」「アンポンマン」「カリスマ稼業」「町長選挙」だが「オーナー」と「アンポンマン」が最高。

これは巨人の渡辺オーナーとかのホリエモンをもじってるのだ。伊良部ワールドのオーナーとアンポンマンは伊良部センセイによって次第に身も心も開放されてゆく。ここで交わされる本音が実は現実の彼ら二人のものでは?などと思ってしまう。発売されたのが2006年4月。発売してすぐ読んだらもっと臨場感あったなあ。

「たかが選手」発言は2004年の流行語大賞にノミネートされてるので2004年のことだった。ホリエモンのニッポン放送騒動は2005年3月ごろのこと。・・しかし忘れてる。去年あたりかと思ってしまう。

「町長選挙」は離島の選挙は賄賂公認、ってなもので結局どっちを応援するかを棒倒しで決めるというもの。選挙なんかするより案外こちらの方がいっそさばさばすっきりではないか?などと思ってしまった。比例代表なんて知ってる名前を書いちゃうのがおちではないか。
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2006年09月01日

最悪・奥田英朗

最悪
最悪
 1999

従業員2人の鉄工所を営む川谷、銀行員のみどり、チンピラの和也、3人の平凡な生活がそれぞれのふとした出来事で最悪に落ちてゆく。「邪魔」と同じ3つの人生が渦のように一つになってやがて散る。

奥田氏の父親も中小企業を営み破産した経験を持つからか、零細な鉄工所の川谷の心境が秀逸。鉄工所、サラリーマンと身の置き所は違っても50を過ぎた男(女でもいいけど)がふと思う空虚感が読んでてこちらにささってくる。これを書いた時の奥田氏はまだ30代後半なのに。。明日の出口の無いチンピラの和也も父親の倒産で大学をやめた当時の奥田氏の気持ちも投影されてるのでは?などと思ってしまった。考えすぎ?

川谷の追い詰められ方をみると、こりゃあないよと思うが最後は安堵があるので救われる。みどりが精神科にかかっているところで終わっているのだが、そのやりとりが後の伊良部センセイシリーズにもつながるような会話だ。
ラベル:小説 奥田英朗
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2006年08月04日

邪魔・奥田英朗

邪魔
邪魔
 2001.4

3組の主人公たちの一場面から派生するそれぞれの事件が最後にリンクしてとりあえずの終わりを見る物語。

「イン・ザ・プール」でみられるほのぼのとしたキャラクターは登場しない。登場するのは、日常におもしろみを見出せない高校生裕輔、妻を亡くした刑事、パート務めの主婦とその夫。これらの日常がある放火事件でどんどん転がり落ちてゆく。通常男性作家の描く女性、女性作家の描く男性はどうもリアリティーがないが、パートの主婦の感情が著者が男性なのにけっこうリアルに描かれている。

主人公たちがどんどん追い詰められていって、あーぁという感じになるが最後の高校生裕輔が救いようのある描き方だったのでほっとした。
読み出したら止められないテンポのある小説。

ララピポ
ララピポ

図書館で棚にあった奥田氏の本を全部借りてきたのです。
性にまつわる仕事や感情を軸に展開してくのですが、これも全6話からなっているのですが社会になげやりになってるような主人公たちがみんなからみあってます。「邪魔」もそうだけどいくつかの主人公を交差させる手法が多いですね。


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2006年07月29日

真夜中のマーチ・奥田英朗

真夜中のマーチ
真夜中のマーチ
 2003.10/10

25才の男二人と女1人が10億円強奪を試みる。
マンガかドラマを見るような会話と展開。そんな風に進むか?と思うがこれはパーティー屋のヨコケン、一流商社勤めのダメサラリーマン・ミタゾウ、優雅なクロチエの会話と行動を楽しむ本。一時楽しい時間を共有できるお楽しみな本。ミタゾウがどこか「イン・ザ・プール」の伊良部に似ている。
ラベル:小説
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2006年07月10日

イン・ザ・プール(奥田英朗)

イン・ザ・プール
イン・ザ・プール
 2002.5

伊良部総合病院の御曹司 精神科医 伊良部一郎を訪れる患者たちとのエピソード。
プールで泳がずにはいられなくなる心身症のサラリーマン、視線が気になるコンパニオン、携帯を打たずにはいられない高校生、火の元を確かめずにはいられない男など、豆腐に釘的会話でいつしか患者も癒してしまう伊良部。

標題の「イン・ザ・プール」に登場するサラリーマンとか携帯で友達とつながっていたい高校生とか、携帯やプールがネットになってるだけで自分にもあてはまりそう。会話がおもしろくて読み出すと止まらない。読みながら笑ってしまうがやがて悲しき、とふと思う。次の「空中ブランコ」も読もう。
青いプールに青い眼の赤ちゃんの表紙は、ニルバーナのアルバムを意識したそう。

伊良部は本だと大肉中背といった感じ。NHKの「英語でしゃべらナイト」の松本和也アナの風体を思い浮かべるのだが、映画では松尾スズキだ。テレビドラマにもなったらしいがなんと阿部寛。阿部寛もぬけた感じはするが見かけはかっこよすぎ!
オダギリジョーも出ているのでDVD見てみます。オダギリくんの病状は。。タイトル意識しすぎて活字化できません。

ネヴァーマインド
ネヴァーマインド

posted by simadasu.rose at 00:26| Comment(2) | TrackBack(1) | 本・奥田英朗 | 更新情報をチェックする
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