2007年07月08日

純愛小説(篠田節子著)

純愛小説
純愛小説
 2007.5

4つの新作短編集。
前の「夜のジンファンデル」に続いてまた短編集が出た。今回は題名からも伺えるが、かなりな大人(つまりもう半世紀を過ぎた人たちですね)の愛?というのか、恋愛感情を描いた短編。

一番印象に残るのは「鞍馬」。3人姉妹の人生の終焉を描いたもの。一番上の姉は下二人の妹達を学校に行かせるため結婚もせず父と母を看取り家を守ってきた。母が無くなり空虚感に陥った姉は、一体自分の幸せはなんだったのだろうと思う。その思いが妹たちには伝わらない。60過ぎて外の世界に出た姉の心によぎったものとは? 
 なんとも淋しい余韻の残る話。

「純愛小説」は夫が実は密かに思っていた女性がいた、というそれだけの話だが、これも淋しい残照。

「蜂蜜色の女神」はひょんなことから、年上の(もちろん中年の)女性となぜか強く体を求め合う男性の、これもうなってしまう終わり方。
どれも人生を少し長く生きてきた人が味わえる読後感。

「知恵熱」は大学生の息子に親離れできない母親の話で、これが一番現在進行形か。
posted by simadasu.rose at 12:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・篠田節子 | 更新情報をチェックする
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