2006年11月04日

魂萌え・桐野夏生

魂萌え !
魂萌え !
 2005.4

1年半前の発売時の新聞広告は主人公は59才の主婦、桐野夏生が今度は高年女性のいきざまを描く、というような文句があって、もうこれは自分とは関係ない上の世代の話で全然読む気がないやと思った。ところが先々週NHKのドラマの第1回をみてこれはおもしろそうと思った。59才の敏子は夫の定年後2,3年、夫婦二人で悠々自適の暮らしをしていたところ突然夫を亡くす。そこに夫の愛人が現れるという新聞TV欄の案内だった。おまけにアメリカで食い潰した長男が帰ってきて財産分与を迫り長女はずっとアルバイト暮らしで年下のフリーターと同棲という設定。その敏子をとりまく状況が発売後1年経って子供の一人が社会人となった今年、俄に身近に感じだしたのである。

ずっと専業主婦で夫の会社勤めを支えてきたのに夫は別の世界を持っていたし、当然ながら子供たちは社会人になれば親からは心身ともに離れて行く。そして親がいらないわけではないけど当然自分の生活中心になる。今までは子供の立場だったがいよいよもって離れて行く子供を持つ親の心理が分かる年になってしまったのだ。

主演の高畑淳子がとても役にはまっている。金八先生の養護の先生とは一転。第1回をみてすぐ原作も読んでみたくなって一気に読んでしまった。テレビを見たあとなので原作の登場人物の顔はテレビの俳優さんの顔が浮かんでしまうがまったく違和感は無い。

桐野夏生のOUT(アウト)がとても好きであちらは40才前後の妻の心理が深夜の弁当工場の場面が特に、専業主婦であれ勤める妻であれ共感できるものだった。かなりエキサイティングな雰囲気だったがこの「魂萌え」はトーンは静かだ。人生のトーンは子育て期を頂点に山形を描くと思う。下りに入って徐々に静かになるがまだまだこれからよ、という空気が行間にみなぎっている。

映画化もされるみたいだがこちらは風吹ジュン、ちょっと違うかなあ。
posted by simadasu.rose at 09:07| Comment(2) | TrackBack(0) | 本・女性(小説) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
見た見た(笑)
2つ下のマダムの大推薦で大筋を聞いて、最終回だけだけど 再放送あったらきちんと見るわ
まあコドモが元のサヤに戻ってドラマながらホっとしました
親に頼られてもねえ・・・

高畑淳子 って急に出た感じしたんですよ さんまのトークだの ドラマだの 
感じいいですよねえ バツが2?3? それも不思議 上手にやりくりできそうなのに
Posted by タネ at 2006年11月08日 17:43
見ましたかッ 高畑淳子いいですよね。この間も新聞にエッセイみたいなの出てたんですが、あの五色の○○戦隊のピンク役もやったことあるみたいです。確かに早い時期にバツになったとそこに書いてありました。

最終回の日なんとうちの方で季節外れの雷雨。7時頃から断続的に3回位停電して、テレビも買ったばかりなので落ちたら大変と線を抜いたので見られなかったんですよ。同僚で見た人がいて、桐野夏生にしちゃあ静かでみんな納まる所に納まってつまらなかったと言う人がいたんですが、私は本の結末にはほっとしました。我が身に引き寄せてしまうのでやはりhappyな希望がある方がいいですね。

Posted by ろ〜ず at 2006年11月11日 12:03
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/26740858

この記事へのトラックバック
レンタルCGI アクセス解析 with Ajax Amazon