2009年10月24日

無理(奥田英朗)


無理

無理

  • 作者: 奥田 英朗
  • 出版社: 文藝春秋
  • 発売日: 2009/09/29




奥田英朗の最新作。木曜に本屋に行ったら売り上げ5位ってなっていてひら積みに。さっそく買ってほぼ土曜1日で読んでしまった。

複数の主人公を配し、それが最後にクロスするというもの。
舞台は東北のとある中都市。太いバイパスが出来て中心商店街が泣いている設定。会話から福島近辺か?と想像。
・県庁から市に出向している生活保護のケースワーカー、
・都会にあこがれ東京の大学に進学ようとしている高校二年の女子高生、
・暴走族あがりで詐欺まがいのセールスをしている20代前半の男、
・スーパーの店員をしながら新興宗教にすがる離婚して一人暮らしの48歳の女性、
・親の地盤を受け継ぎ県議会にうって出たい市会議員。
この5人の話が平行して語られながらだんだんクロスして文字通り十字路で爆発したところで終わる。このクロス具合がなんとも緊迫感がありパチンと風船がはじけるよう。

5人の描写がとってもリアル。特にケースワーカーなど密着取材したのではないかと思うほど。5人は小さな町でありのごとく生きているという感じで、地方の中小都市の閉塞感と何もない、というのが底に流れている。奥田氏は地方都市の疲弊感を描きたかったらしいのだが、これは東京でも同じような気がするのだが。。確かに東京は刺激に満ちているが自宅の茶の間は地方も都市も同じではないか。地方出身の人が東京に出てしまうと、18まで過ごした故郷が頭の中にありそれと較べてしまうのではないか。Uターンして30年、けっこう地方も捨てたもんじゃない、と思えるようになってきてるのだが。。

地方論議はともかく、5人の生き様はどれも案外一人の人の中にすこしずつあるもんじゃないか、なんて気もする。

文芸春秋社奥田英朗インタビュー 故郷の岐阜も魅力がなくなっている、と答えているが。。


アモーレス・ペロス
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 3人の主人公が交差するアモーレス・ペロスをちょっと思い浮かべてしまった。
posted by simadasu.rose at 17:28| Comment(0) | TrackBack(1) | 本・奥田英朗 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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