2009年10月17日

薄暮(篠田節子)


薄暮

薄暮

  • 作者: 篠田 節子
  • 出版社/: 日本経済新聞出版社
  • 発売日: 2009/07/01




日経夕刊で連載されてたものが単行本になった。
連載中は毎日夕刊を読むのが楽しみだった。

美術出版を手がけていた編集者がふとしたことから新潟の油絵画家を知る。それは一般の雑誌に掲載された女性エッセイストの文によって紹介された今は亡き地方画家だった。たまたま女性エッセイストが食事をした料亭の部屋に飾ってあった絵になぜか心惹かれたというものだった。

読者の反響の大きさにその画家を調べていくうちに、なぜか画家に冷たい地元公立美術館、かたや熱心な地元市役所の観光課職員、在野の美術評論家、画家のパトロンでもあった地元商店主たち。そして大きな鍵を持つ駆け落ちで結ばれた画家の妻。そして画集出版を思い立つ編集者。それらの人物と新潟という土地、寒い冬、とが交差して物語は進んでいく。それらを覆うのは絵を説明する文章だ。語られる「絵」によって凍てついた冬の薄暮が黄色い明かりとともに行間を漂う。

こうなってこうなるか、あぶりだされる人々の様々な生き様。読後感は静かだがやはりいつもの篠田ワールドが楽しめた。

著者インタビュー 毎日jp




posted by simadasu.rose at 14:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・篠田節子 | 更新情報をチェックする
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