2015年05月09日

図説英国貴族の暮らし(田中亮三著)

図説 英国貴族の暮らし 新装版 (ふくろうの本) -
図説 英国貴族の暮らし 新装版 (ふくろうの本) -

ホームズ、ミス・マープル、そしてダウントン・アビーにはまって、イギリスの貴族なるものに興味が湧き、手ごろな本がないかなと、この本を買ってみました。「暮らし」との題名にあるとおり、故ダイアナ妃の実家スペンサー家を含む代表的な貴族の御屋敷6館の紹介、使用人の暮らしぶりが豊富な写真とともに紹介されています。

「英国には16世紀後半のエリザベス朝から、この国の繁栄が頂点に達した19世紀半ばにかけて、主として貴族でもある大地主たちが、権力を誇示するために広大な領地のなかに建てたカントリー・ハウスと呼ばれる豪壮な邸宅が何百とあり、今も多くは子孫が住みずつけている」p6

3章の「英国貴族とは」で貴族とは何ぞや?が書かれてあり、
制度上は、公候伯子男・爵、の爵位を持つ原則男子が貴族で、広大な農地を持ち、したがって貴族の職業はファーマー(農場主)。1958年の統計によれば、王室公爵5、公爵26、侯爵36、伯爵192、子爵126、男爵481、女性伯爵5、女性男爵13。英国の職業の最上位はファーマーで、英国最大のファーマーは英国王室。ふだんは特別な扱いを受けているがノブリス・オブリージ(高貴なる者の責務)という不文律があり、戦争や災害などの時は率先して解決にあたる伝統がある。学校は男子はパブリック・スクール、女子は20世紀初頭までは家庭で学習しダンスや作法を習っていた。

現在は貧富の差は縮小しているが、王室を頂点として、少数の貴族を含む上流階級とEducatedと呼ばれる高等教育を受けた知的職業の人たち、その他大勢の一般勤労者(ワーキング・クラス)が存在。違いは言葉づかいにも現れ、上流対下流では、トイレ(loo対toilet)鏡(looking-glass対mirror)ジャム(jam対preserve)などとあります。貴族は原則長男に世襲され(なんと次男は俗にspare予備と呼ばれる)、次男三男が家を出て学者や実業家などになりそれが18,9世紀のイギリスの繁栄に貢献したとする見方もあるとしています。

クリスティの父は遺産を受け継いだアメリカ人事業家で投資の利息で暮らしていたようでマープルは祖母がモデルとも言われています。となるとマープルは貴族ではなさそうですが、相続財産があったという設定なのでしょうか?

女性のファッションなどにはほとんど触れられていないので、この本などに出ているかも。
図説 英国貴族の令嬢 (ふくろうの本) -
図説 英国貴族の令嬢 (ふくろうの本) -


使用人の筆頭といえば「執事」 ダウントン・アビーでは使用人間の諸々も描かれていますが、執事といって思い浮かぶのは「日の名残り」。ダウントン・アビーも今放映中のは第一次大戦が終わった時期ですが、日の名残りも1956年の時点で、お屋敷に仕えた1920年代から30年代にかけてを回想するというもの。作者のカズオ・イシグロは長崎生まれのイギリス育ちですが、この描写はどう取材したのでしょうか。
日の名残り コレクターズ・エディション [DVD] -
日の名残り コレクターズ・エディション [DVD] -
アンソニー・ホプキンスとエマ・トンプソン、静かに格調高く、しかし緊張感をもって物語は進みます。
posted by simadasu.rose at 15:36| Comment(0) | TrackBack(0) | 本・歴史地理伝記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
レンタルCGI アクセス解析 with Ajax Amazon