2019年06月16日

RBG~最強の85才(映画)

RBG [DVD]
RBG [DVD]


映画「ビリーブ」を見て本人にとても興味を持った。
若い頃は美人だったなあ。最高裁判事になってからの映像が主。RBG:ルース・ベイダー・ギンズバーグの性格として「控えめで堅実」と映画で語られていたが、イスに座るギンズバーグはまさにその通り、映画も淡々と進む。いっしょにパソコンをみている若さあふれる孫娘が「おばあちゃんってスゴイ」という感情を発散していた。

とにかく彼女は家族に恵まれた。特に夫。映画はいろんな人の彼女に関するインタビューから成っているが彼女の夫に対して友人は「彼は自分でも自信があるから、妻となる彼女がいくら頭がよくても彼自身の自信が揺らぐことは無かったの」と語っていた。夫は社交的でユーモアがあると紹介されていたが、実際の映像でもユーモアたっぷりだった。夫は「妻には僕の料理に関して口出しはさせないし、僕もまた彼女の仕事に関して口出ししない」と言っていた。これがうまくいったミソなんだろう。

彼女が最高裁判事の候補者となると夫は各方面にアピール作戦をしたようだが、彼女の現在の地位は、彼女自身のたゆまぬ、並々ならぬ勉強の積み重ねだというのが改めて分かる。

映画「ビリーブ」の再確認という感じで見ていた。裁判例など映画では描かれなかった案件を知ることができたのと、本人や夫、家族の顔を見られたのはよかった。がやはり「物語」の力ってすごいな、と感じた。少しのフィクションをまぜ盛り上がりを見せる映画「ビリーブ」。いきなり「RBG」をみたら彼女の困難さ経歴のすごさはわからなかったかも知れない。

RBG公式HP

2019.6.14劇場で

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2019年06月08日

ABC殺人事件(アガサ・クリスティ著)

ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
ABC殺人事件 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 1936発表

地名、名前のABC順に次々に殺人事件が起こる。しかもポワロ宛てに殺人予告の手紙が届く。こういう連続性のある構成は「そして誰もいなくなった」と同じく次は?と読むのをやめられなくなる。Dまで行くとEはエルキュール・ポワロなのかと思ったがDで解決した。

途中で押売りの男が出てきて、解決かと思ったが最後にどんでん返し。殺意の根拠としては本当の犯人の殺意はよくあるタイプ。

被害者がCまで出たところで、被害者たちの生活ぶりや性格が関係者によってあぶりだされ、表面下の素顔があらわになる。ABCの連続性とともに、このあぶりだしがおもしろい。

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2019年06月06日

鏡は横にひび割れて(アガサ・クリスティ著)

鏡は横にひび割れて (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
鏡は横にひび割れて (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫) 1962発表

殺されたヘザーの性格が「春にして君を離れ」の主人公ジョーンにそっくり。物語の冒頭マープルはヘザーの家の前で足をくじき介抱してもらったのだが、マープルのヘザーの印象は「いつもはっきりした自分の意見を持ちすぎて、ひとの眼には物事がどう映っているのか、どういう感じをうけているかが、悟れない、アリスン・ワイルドにそっくり」というもの。でアリスンは亡くなっている!

そのすぐ後、有名女優の家でパーティがあり、客として呼ばれたヘザーは出された飲み物を飲み死んで(殺されて)しまう。

マープルの親友ドリー・パントリーもその場にいて、ヘザーと言葉を交わした女優は直後、凍りついたような表情になったと言う。テニスン作「レディ・オブ・シャロット」の「鏡は横にひび割れぬ、ああ、わが命運もつきたりとシャロット姫は叫べり」のようにね、と言う。

ダーモット警部の問いには「あの妻は親切なことは親切だけど、思いやりはなかった、だんな様の面倒はみてるけど、亭主が何を考え、何を感じているか、しりもしなかったろうと思うわ、それでは男にとっては淋しい生活になるものよ」といい、きっと亭主はすぐ再婚するだろう、と言う。

「春にして君を離れ」は1944作。こちらではジョーンは一瞬己を回想したものの、最後には元のもくあみで終わらせている。が18年後の1962作の本作では殺してしまっている。この独りよがりのおめでたい女、というのをクリスティは憎んでいる。自身の母親かあるいは自分自身にもそれを見ているのか?

「クリスタル殺人事件」(1980)としてエリザベス・テイラーが女優役で映画化されている。役柄としてあっている気がする。見てみたい。
クリスタル殺人事件 デジタル・リマスター版 [DVD]
クリスタル殺人事件 デジタル・リマスター版 [DVD]


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2019年05月29日

ねじれた家(アガサ・クリスティ著)

ねじれた家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
ねじれた家 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

映画化されるとあって読んでみた。ねじれた家に住むねじれた家族という文言にとびついた。「マザーグース」は想像の宝庫か。

遺産と遺言、相続、遺産の規模がちがうわね。ねじれた家の最大の犠牲者は犯人だったのかも。

posted by simadasu.rose at 11:26| Comment(0) | 本・エッセイ、小説 | 更新情報をチェックする

そして誰もいなくなった(アガサ・クリスティ著)

そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)
そして誰もいなくなった (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)

読み終わってみれば誰が犯人か最初からヒントは与えられていた。マザーグースの歌の通りの殺人、次は誰が死ぬのか、どんな死に方か、飽きさせることのない展開。己が過去に犯した死にまつわる事柄に天誅が下される。・・しかしやはり犯人は思い上がりすぎ? この犯人が「デスノート」を手に入れたらえらいことになるかも、なんて。

新訳の青木久惠訳は読みやすかった。

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ともしび(映画)

老年になり夫を失い1人きりになった妻。いやおうなく変化はやってきて身を置かねばならない。

離別であれ、死別であれ、いままでいた夫がいなくなり1人きりの生活になると、とても不安に満ちた心持になる。ましてここでは何の罪かは分からないが収監であり、おそらくその理由により1人息子には接触を拒否されている。上の階の雨漏りにも1人で対処しなければならないし、飼い犬はおそらく夫になついていて残された妻がやる餌を食べない。孫の誕生日にかつて息子に焼いてやったケーキを持っていくも家先で追い返され、うなだれ帰路に着く。

こういった老年の不安な心細い心持や生活が、妻アンナ役シャーロット・ランプリングの大写しで描かれる。年相応にたれた瞼としわのある体、への字ぎみに結んだ唇、それらがひとりの孤独と不安を体現する。公開時71才のそのみごとな?老体が晩年期の人生を描きだしている。女優が自分の肉体の老化を見事に受け入れ堂々と晒している、これが素晴らしい。現在の肉体を受け入れることは現在の精神もおかれた状況も受け入れることなのだと感じた。
いずれ遠くない先自分も経験するんだろう。

しかし監督はなんと1982年生まれでまだ35歳だ。母親とか身近なモデルがいたのか。

「ともしび」公式サイト
 原題HANNAH 

監督:アンドレア・パラオロ1982イタリア生
2017フランス・イタリア・ベルギー
2019.5.26劇場で

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2019年05月12日

ビリーブ(映画)

ビリーブ 未来への大逆転 [DVD]
ビリーブ 未来への大逆転 [DVD]

1950年代末、60年前、ハーバードロースクールを出てもことごとく法律事務所では門前払い、40年前の自分の就職時を思い出し涙が出てきた。でもあきらめず一歩一歩道を切り開く主人公に元気をもらった。

50年前のアメリカ、男性の専業主婦は認められない、女性は自分名義のクレジットカードを作れなかった、という映画の紹介宣伝を見て興味が湧き見てみた。50年前といえば1969年頃、え?そうなの?という思い。当時中学生だったが、ウーマンリブのデモの写真が週刊の少女漫画誌にも紹介されていたが・・ 実態はそうだからデモが起きたのか?

ともあれ、50才の独身男性が痴呆の母を自宅で看ていて、勤めがあるので看護婦を雇ったところ、女性には認められるその費用給付が男性には認められない。なぜって看護は女がするものだから、という理由。ほぼ100%無理だと言われた裁判を勝ち取ったのが、この映画の主人公ルース・ギンズバーグだ。この裁判、看護は女性に、という女性の役割分担の発想が逆に男性差別でもある、という所がみそだ。

物語は1956年、ハーバード大のロースクールに入学するところから始まる。ここからして入学者500人に女性9人。学長は女性のみを招待しパーティーを開くが「男性の席を奪ってまで、なぜ入学したのか理由を話したまえ」というのだ。授業では手を挙げるも指されるのは最後で、しかもケチをつけられる。首席で卒業しても法律事務所は全て雇ってくれない。その理由が、事務所の弁護士の妻たちとの関係がうまくゆかないだろうから。事務所では妻を交えてのパーティーなどもあるようだ。断る理由はこじつけだろうが、当時はエリートを夫に持つ専業主婦と自立する女性との間にも溝があったのが窺える。

ハーバードロースクールの部長は10年かかって女性の入学を認めさせた一見開明派なのだが、件の介護裁判では敵に回る。エリートであるほど現状に疑問を持たず女性を一人前に見ていない描き方。これでもかという女性の不利な現状の描き方に監督は一体誰?男性でよくここまで描けるなと思ったら女性だった。

介護裁判で助けを求める先輩女性弁護士が貫禄たっぷり。なんとあの「ミザリー」で小説家を閉じ込めたキャシー・ベイツだった。とても理解ある夫役はアーミー・ハマー。「君の名前で僕を呼んで」ではなんだか間延びした感じがしたが今回はとてもいい。もちろん主人公役のフェリシティ・ジョーンズも毅然として着実に進む感じがよかった。しかし何より最後に出てくるギンズバーグ本人が最高だった。しかし恥ずかしながら初めてこの方を知りました。6月にはドキュメンタリー映画「RBG」も上映されるようなのでそちらも見てみたい。

原題:ON THE BASIS OF SEX

「ビリーブ」公式サイト




2018アメリカ
2019.5.12劇場で
posted by simadasu.rose at 10:50| Comment(0) | 映画 | 更新情報をチェックする
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