![わたしの渡世日記〈上〉 (新潮文庫) [文庫] / 高峰 秀子 (著); 新潮社 (刊) わたしの渡世日記〈上〉 (新潮文庫) [文庫] / 高峰 秀子 (著); 新潮社 (刊)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/51VTSQHv6LL._SL160_.jpg)
上巻 初刊は昭和51年
店頭で表紙が見えるように展示されていた。なんとかわいいお子ではないか。思わず手に取る。この本は昔図書館で映画の棚にあって、その隣に「コットンが好き」とか同じ著者の本が何冊かあって、ああこの人は映画の他にもエッセイなんか書く人なんだ、というのは知っていた。しかし肝心の俳優業となると、高峰三枝子と混同したりしてよく知らなかったのだ。夫の松山善三は確か昔コーヒーのCMに出ていた気がする。
でぱらぱら読み始めてみると、なんと大正の生まれで親と同世代。5歳の時から子役をやり、養母に育てられとなにか波乱万丈。昭和30年に結婚したところで終っており、書かれてることがそのまま昭和の映画史になっている。彼女の出た映画は「宗方姉妹」をみているのだが、見た目当てが小津監督だ、という観点でのものだったので、あまり印象にないのだが文章はおもしろい。10歳頃、東海林太郎夫妻の養女となり母子で東海林家にいたなどという事も書かれる。
なにしろ5歳から映画界にいる。昭和初年の映画黎明期から、戦後の全盛期まで、自分の人生でのかかわった人イコール映画界の人、であり実名で書かれてるので映画史として非常に興味深い。日本の三大美人は入江たか子・原節子・山田五十鈴と書かれていたので、なにか嬉しくなった。田中絹代の鎌倉の家に行き、洋服をもらったが、あっというまに背がのびてしまい着られなくなってしまったとか、華族出身の入江たか子に洋服を縫ってもらったとか、おもしろいエピソードも。
小津映画に出た時、緊張で震えたが、なんと笠智衆の手をみたら彼の手も震えていたとか、かかわった監督とのその性格の違いなどもとても興味深い。
しかし子供のころから監督などが食事に連れて行ってくれる日常とか、大人になって谷崎潤一郎、梅原龍三郎(そういえば近代美術館で彼女のイスに座った絵を見たことがあったが、そのエピソードも語られている)、新村出、など経済界の人とのかかわりが多くなる後半にきて少し辟易してきた。
しかし映画界内部から見た映画界、という点で価値があるだろう。
![わたしの渡世日記〈下〉 (新潮文庫) [文庫] / 高峰 秀子 (著); 新潮社 (刊) わたしの渡世日記〈下〉 (新潮文庫) [文庫] / 高峰 秀子 (著); 新潮社 (刊)](http://ecx.images-amazon.com/images/I/41I-ioyjbFL._SL160_.jpg)
下巻
posted by simadasu.rose at 02:25|
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